頭の中でのイメージに苦戦
――かなり骨太なヒューマンサスペンスですが、サスペンスというジャンル自体は得意ですか?また、サスペンスならではの取り組み方があれば教えてください。
見るのは大大大好きなのですが、自分が実際に演じた経験は、物心ついてからの記憶の中でもないんです。幼少期は、自分の出ているシーンしか台本を読まなかったんですよ(笑)。「このせりふを言わないといけない」「このシーンに出る」という認識しかなくて、台本をちゃんと見ていなかったんです。
だから、お芝居をする楽しさも分かっていなかっただろうし、せっかく台本をいただいているのに作品の面白さを100%楽しんでいなかったと思います。成長するにつれて、役者としてどういうふうに過ごしていけばいいのかや、台本の読み方を学びました。
そんな中でこのドラマの台本を読ませていただくと、何回読み返してもやっぱり実際に映像になるまではなんとなく不安といいますか、自分が今演じたところはどういうきっかけやアクセントになるのだろうと頭の中でイメージするのが難しかったです。
これからも本はたくさん読まないといけないと思いますし、今回も映像になった時に、思い描いていたイメージがどういうふうに映されているのかというのを、台本と見比べながら考えていくことが大事なのかなと思いました。
――獅子舞は娘を包み込むような性格ですが、ご自身のお父様はどのような方ですか?
私はこの活動を小さい頃からやっているのですが、小さい頃からずーっと応援してサポートしてくれているし、娘の私から言うのもおこがましいですが、申し分ない父親だと思います(笑)。
いつか、伊藤沙莉のような「自由自在に色づけてもらえるような役者」に
――今後どういった俳優になっていきたいかお聞かせください。
私、伊藤沙莉さんがすごく好きで。いつかお仕事をご一緒できたらいいなと思っています。よく言われることかもしれませんが、役の振り幅がある役者さんってすごく魅力的だし、伊藤さんのことを見ていると、裏表のない役者さんだなと思うんです。
私も素の状態で挑み、常にゼロの状態で透明なまま現場に飛び込んで、そこで各監督さんの色に染まれるように。そういう自由自在に色づけてもらえるような役者さんになれたらいいなと思っています。
――最後に、視聴者にメッセージをお願いします。
今回私は、DIDという症例を抱えた女子高校生を演じます。同じ症例を抱える竹内さん演じる元村の人格が変わる瞬間は、私も間近で見ていて見入ってしまうくらい本当にリアルで、そんな表現をドラマで映すことってあんまりないだろうなというくらい、人間味あふれるお芝居です。
また、たくさん伏線が張ってあって、2時間ドラマなのがもったいないくらいすごくいろいろ凝縮されていて、サスペンス要素もすごく見応えがあります。
DIDという症例を知らない人たちにも、今回このドラマでそういう方々がいることを知ってもらえたらうれしいですし、私としても今まで経験したことのないような役柄だったので、お芝居に注目して見ていただければうれしいです。