医師として“命に向き合う”エース
坊城の手術に挑んだエースだが、さすがに難易度も高く、心停止になる危機が迫った。そんななかでの「生きろ、生きろ」というエースの言葉。闇の存在ではあるが、坊城も語った医師として命と向き合う思いから出たものだろう。
手術成功後、仮面をつけて病室に現れたエースに坊城はなぜ助けたのか問い掛けた。
「その昔、あんたに選んでもらった一人の学生が、アメリカのスタンフォード大学で修業させてもらった。あの経験がなかったら、いまその人間はいなかったかもな。奥さまほどじゃないが、あんたの理想にのっただけだ」。
その“一人の学生”が、エースのことなのかは明示されなかった。「君なら表の世界でもっとたくさんの人を救えるはずだ」と言う坊城に、「“過ちをただす瞬間の風景は鮮やかだ”…か、俺には関係ない話ですね」と返したエース。なぜ闇医者となったかの本意はこれから明らかにされていくのだろうが、命の価値を判断するダークさはありつつも医師としての矜持を確かに持っていることを本話で見ることができた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部