連続テレビ小説「あさが来た」(2015~16年、NHK総合ほか)やドラマ「カルテット」(2017年、TBS系)、主演を務めた映画「見えない目撃者」(2019年)など、印象に残る役を好演してきた吉岡里帆が、2023年1月15日に30歳の誕生日を迎えた。吉岡といえば演技だけでなく、抜群のプロポーションから雑誌のグラビアでも注目されており、同日に芸能生活10周年とのWアニバーサリーということで写真集「日日(にちにち)」も発売された。星野源と共演したCMでの“どんぎつね”姿も彼女の存在を強烈に印象付け、“あざとかわいい”役どころに定評のある彼女だが、日々進化し、さまざまなことに挑戦し続けている。そんな吉岡は、出演最新作「ガンニバル」でも俳優として新たな一面を見せた。
ドラマ「ガンニバル」は、二宮正明の同名コミックを映像化したヴィレッジ・サイコスリラー作品。“ある事件”を起こして供花村に駐在して左遷された警察官・阿川大悟(柳楽優弥)が主人公で、“この村の人間は人を喰ってる”というウワサの真相を探るため、命の危険に晒されながらも村の中の深い闇へと踏み込んでいく。ディズニープラス「スター」で毎週水曜に最新話が配信中だ。
主人公の妻を好演
吉岡が演じるのは、柳楽演じる大悟の妻・有希。大悟は正義感が強いものの暴走するきらいがあり、犯人逮捕時に過剰な暴力を振うこともしばしば。左遷のきっかけとなった“ある事件”というのは、娘・ましろ(志水心音)に近づいた性犯罪者の今野翼(三河悠冴)をましろの目の前で射殺した事件のこと。それが原因でましろは失語症になり、感情も表に出ない子になってしまった。
“狂気”のスイッチが入ってしまうと手がつけられなくなる大悟にとって、有希はとても重要な存在。第1話で、阿川家の3人が供花村に車でやってきた時、大悟がましろに「お化けが出るんじゃない?」と言うと、有希が「お化けなんか出るわけないじゃん(笑)」と返し、すぐに「ましろ、着いたら何食べたい? 私は着いたらラーメンとか食べたいなぁ」と言って場を和ませたり、気遣いができるところを見せた。
大悟が前の駐在・狩野治(矢柴俊博)の家族写真を見て、「娘さん、かわいいね」と言うと、「は? どういう意味?」と鋭くツッコミを入れるところからは大悟に対等に意見できる強い部分も感じた。熊に襲われた大悟が「死ぬかと思った。その時、おまえたちの顔が浮かんで“絶対に死ねねぇ”って思った」と弱音を吐ける唯一の相手で、もたれかかる大悟を優しく慰める母親のような部分も持ち合わせている。