哀愁漂う“おじさん”を眞島秀和が見事に体現
歯磨きをすれば“えずく”、仕事に出る前に栄養ドリンクを飲み干し、通勤途中で出会った小学生に手を振れば不審者と怪しまれ、白髪も出てきている“立派なおじさん”の拓郎。仕事では、後輩の面倒を任されることも多くなり、デザイナーとしてはもう求められていないのかと自信を無くしかけていたりもする。
同世代であれば共感できる拓郎のいま。拓郎が勤める会社の社長・木ノ下二郎(杉本)は60代だが「気がついたらさ、もうこんな年になっちまったよ」とつぶやいていたが、それもうなずける。
そんな拓郎を眞島が好演する。実際には“イケおじ(イケてるおじさん)”として人気が高まっているが、本作ではそれを少し抑えて、独身男の哀愁をまとう。
会社から後をつけて自宅にやって来たくるみに、かつて録音したギター演奏のカセットテープを聞かされ、懐かしい日々を思い出して微笑みと切なさが浮かんだ顔は胸にぐっとくる表現だった。
SNSには「眞島さんの微妙なおじさん加減にキュンときます」「眞島さんはなんとも言えない切ない表情させたら天下一品だ」といった声が寄せられた。
「会ってみたかったんです、母が好きだった人に」というくるみの思いをきっかけに、過去に向き合うことになる拓郎。拓郎に20年以上片思いしている絵里も含め、大人の心に響く物語がスタートした。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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