雪が舞い散る中での告白が美しい!
鈴のスタンスもすてきだ。インタビューで北村は鈴について「一星がろう者であることを特別視せず、フラットに接していて」と語っていた通りの姿。一星以外の誰に対してもそれは変わらない。
第2話では匿名妊婦が生まれたばかりの赤ちゃんを置いて姿を消すという様子も描かれたが、そこで鈴はみんなが赤ちゃんのことを「かわいそう」と言うのが気になっていた。生まれたばかりでそう決めつけられてしまうこと、また親がいなければ必ずかわいそうなのかと思っていたのだ。
それを明かされた一星は、高校生の時に両親を事故で亡くして「かわいそう」と言われたことがあり、ろう者という“普通”と違うこともあって「俺も、かわいそうじゃない?」と問い掛けた。すると鈴は「うらやましいくらい魅力的な人生だと思うけど」と返した。
自由に明るく生きている一星だが、「かわいそう」と言われた時のことは心の奥で引っかかっていたようだ。一星は鈴に「ありがとう」と手話で返した。
そんなやりとりを経て、ラストで一星は鈴に思いを伝えた。雪が舞い散る中、踏切越しに手話で「雪宮鈴、好きだ」とストレートに告白した。
“星”降る夜の出会いから、鈴の名字にも入っている“雪”の舞う中での告白。このうえないロマンチックさだ。タイトルがTwitterのトレンド入りし、「キュンキュンする」「エモすぎる」といった声のほか、劇中で一星の口癖の手話と紹介された「よきよき」を使用した感想も続々と上がった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部