ベテラン俳優との相性抜群!その理由は
玉森が演じるキャラクターは女性だけではなく、仕事に対しても誠実だ。またコミカルな演技にも定評があるため、慣れない環境に置かれたキャラクターの揺れ動く感情を、視聴者に実感を持って伝えることができる。
そんな作品のひとつが、玉森の主演作「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」(2022年、日本テレビ系)だ。研修医の諏訪野良太が、初期研修で各科を回りながら、カルテを通して患者たちの秘密とうそを優しく見破るハートウォーミングなストーリーが描かれた。
玉森演じる良太は、研修の中で椎名桔平、松雪泰子、観月ありさといった面々が演じる癖の強い指導医たちに出会うのだが、どの役者とも抜群のコンビネーションを見せる。それは玉森が振り回されているように見えて、実は相手の演技を大きい懐で受け止めているから。ここで主役だからと我を出してしまえば、個性と個性がぶつかり合って収集がつかなくなるだろう。時に主役感を抑えて脇役に回れるからこそ、ベテラン俳優との掛け合いも様になる。
映画「シャイロックの子供たち」でも、阿部サダヲと上戸彩との共演が見どころとなるだろう。本作は累計発行部数60万部を突破した池井戸潤の小説を原作とし、メガバンクの小さな支店で起きた現金紛失事件をきっかけに、複雑に絡み合う人々の思惑や欲望が浮き彫りにされるミステリーだ。一見平和だが実は曲者揃いの支店で、玉森が演じる銀行員の田端は、お客様係を務める主人公の西木(阿部サダヲ)とその同僚・愛理(上戸彩)とともに現金紛失事件の真相に迫っていく。“年下バディ”役がハマる玉森が、阿部、上戸とどんなやりとりを見せてくれるのか楽しみだ。
■文/苫とり子
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