直木が悠依に伝えたかった言葉は…
悠依のしたいこと、そして直木が心残りだった両親と弟のことなどを解消し、夜、再び集まった悠依と直木、譲。直木が作ったオムライスを食べ、ゲームをして楽しんだ。そこで直木は、悠依のことを譲に託そうとした。だが、悠依は勝手だと怒り、「私は1人でもピンピン生きていけます」と言った。
この言葉は、過去に悠依が絵本「100万回生きたねこ」の感想として発したことにつながる。絵本は、愛した白いねこが亡くなり、主人公のねこは100万回泣いたあとに静かに動かなくなるというストーリー。悠依は「100万回泣いたら、そのあとは元気でピンピンに生きていってほしい」と言い、直木は言葉にはしなかったが、そんな悠依が好きだったのだ。
悠依の提案で譲と2人で話す時間をもった直木は、悠依を託そうとしたことを謝りつつ、「あなたに救われた」と感謝を述べた。不思議ながら強い縁でつながった直木と譲の最後の時間も温かかった。
そして、タイムリミットが迫っていると思われる夜10時37分。悠依は直木を思い出の海辺へ誘った。リアルタイム視聴していた視聴者にとっては現実の時間と同じという心憎い演出だった。
直前に絵本を読んでいた譲は心配しながら、悠依に「白いねこはどっちですか?」と問い掛けた。「私にとっては直木です」とはっきりと答えると、譲は「帰ってきてください」と告げ、悠依はうなずきながら「帰ってきますよ」と返した。
絵本で何度も生まれ変わったねこが、たった一度だけ愛した白いねこ。第1話で直木が「悠依は白いねこ」と言う場面があり、互いのことをどれだけ愛していたのか感じられる展開だ。
ラストは海辺で、直木が「愛してる」と何度も伝え、直木は姿を消した。そしてふと聞こえたへたくそな口笛に悠依は笑い、歩き出した。悠依が前を向いてちゃんと進んで行くことを予感させた。
これまで描かれてきたことがつながってたどり着いた最終話。ドラマならではの奇跡の時間だが、何気ない幸せや伝えることの大切さなど得られることは多く、温かな感動に包まれた。「#金ドラ100よか」がTwitterのトレンド入りし、「この最終回自体がまるでボーナスタイム」「ボーナストラックみたいな最終回」「幸せなシーンばかりで1時間楽しく見れた」「切なくも幸せの時間だった」といった感想が寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
アミューズソフト
発売日: 2023/07/28