俳優の沢村一樹が、映画「名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)」の公開記念舞台あいさつに江戸川コナン役の高山みなみ、毛利蘭役の山崎和佳奈、毛利小五郎役の小山力也、灰原哀役の林原めぐみ、監督を務めた立川譲と共に登壇した。
複数回観ている観客に高山が「そういう皆さんに支えられているんです」と感謝
本作は、「名探偵コナン」劇場版シリーズ第26弾。沢村はゲスト声優として出演した。14日に公開され、初日だけで観客動員数58万人を記録し、興行収入8.5億円を突破。これまでのシリーズ歴代No. 1ヒット作の2022年4月公開「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」(総興行収入97.8億円)の163%という数字を叩き出し、シリーズ初の100億円を狙える好スタートを切った。
会場内にもリピーターが多く、高山が「正直驚いています。今日初めてじゃない方もいるんですよね。“我こそは一番多く観ている”っていう人いる?」と呼びかけると、「6回目」という観客がいて、「6回!?待って!大丈夫?」と心配しつつ、「そういう皆さんに支えられてるんです。それを聞くだけで胸が熱くなります。もちろん、初めて観てくださる方もありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えた。
今作で大変だったことを聞かれた高山は「首まで水に浸かっている時は、地上にいる時とは呼吸の仕方が違うので圧迫感があってツラかったですね。酸素ボンベって口の中に何かある状態なので、全く何もないと違うっちゃう気がしたので」と言って、マウスピースなど、監督と相談しながらいろんな道具を試したことを明かした。
林原、灰原哀は「人は変われるんだなってことを体現して教えてくれる子」
アクションシーンもある毛利蘭役の山崎は「久しぶりに映画で戦えたのでちょっとスッキリしました(笑)」と振り返り、「黒ずくめの組織の人たちの場面で、みんな仲間なんだけど一枚岩ではないような覇権争いみたいなのが出てるところをほくそ笑んで見てしまいました」と作品の中での印象的だったシーンについて語った。
“宿敵・黒づくめの組織に灰原哀の正体がシェリー/宮野志保であることがバレてしまうのか?”というシリーズの核心に迫る物語でもある本作。林原は“灰原哀”を「人は変われるんだなってことを体現して教えてくれる子」と表現した。
「『いつ死んでも構わない』とすら思っていた子が、今回は『生きる』というところにちゃんと目を向けて、“一緒にいる人と帰らなければ”という生きることに対して強い意思を持つことができた」という変化を語り、「今、灰原哀の“哀”の字をを哀しいという字で呼んでる人は、哀ちゃんの周りに誰もいないんです。耳で聞いたら“愛”ですからね。周りの人たちが愛をくれたおかげで、氷のような心が溶けて、ここにいるなってことを全身で感じることができました」と思いを伝えた。そして、壇上にいる灰原哀に向けて、「哀ちゃん、大変だったもんね。これからも大変かもしれないけど頑張ろうね」と優しい言葉をかけた。
ゲスト声優として参加した沢村「実感だらけ。不思議な体験をさせてもらってます」
“牧野洋輔”役でゲスト出演している沢村。人気シリーズに参加した実感を聞かれると「実感だらけです。みんなでバスで移動してきたんですけど、その中の会話を聞けるわけですよ。隣で高山さんが話されてる声を聞いても『コナンくんが横にいる』って思いますし、不思議な体験をさせてもらってます。これ、みんなに自慢してるところですよ(笑)」と笑顔で答えた。
さらに、「出演させていただいたことで、コナンファンの皆さんの熱量、温かさ、優しさを間近で肌で感じました。26作目で参加させていただいたご縁に本当に感謝したいと思っております」と参加できた喜びを伝え、「コナンくんと会うのは最後になっちゃうのかな」と寂しそうな表情を見せながらも、さらにヒットして舞台あいさつなどが行われることがあれば「全部のスケジュールをキャンセルして参加します」と約束した。
最後は高山がコナンの名ゼリフ「真実はいつも一つ!」で締め括った。
映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影」は全国東宝系にて公開中。
◆取材・文=田中隆信
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