阿部寛、松本潤との共演について「役割をしっかり理解して役を作っていく集中力の高い現場でした」<どうする家康>
宿敵である武田信玄を演じるのは感慨深いものがありました
――武田信玄を演じる上で、改めて武田信玄や家臣も含めた“チーム武田”の印象はいかがですか。
前回出演した大河ドラマ「天地人」(2009年)では上杉謙信を演じたので、今回その宿敵である武田信玄を演じるのは感慨深いものがありました。あの頃からあっという間に14年経っていて驚いていますが、この14年間で培ったさらに深いものを出し切って、信玄としての役目を果たしたいと思っています。当時から抱いている武田信玄の印象としては、とにかく謙信と共に最強の武将。戦略家で「いくさは勝ってから散るものぞ」というように、戦の前から綿密に手を打ち、知略の面でも抜群に頭が切れる人です。
一方、諸説あるようですが、父親からも愛情を受けられない不遇な時代があり、その後に若くして父親を甲斐から追放もしているので、相当な苦労があったと思います。その苦労した時代があったからこそ、民を含め、人の気持ちも分かる人でもあったのでしょうし。人としての強さも優しさもあり、それが多くの人々を惹きつける力となったのだと思います。
そして武田勢は、信玄だけでなく、息子・勝頼をはじめ穴山梅雪、武田四天王の一人・山県昌景など最強の仲間がいたことも大きな力でした。今作でもチーム武田として、家康が勝手にびびってしまうほどの圧倒的に余裕ある雰囲気を醸し出せたらいいなと思っていますが、皆さんと一緒に芝居をする中で、自然とその空気も作り出せたのかなと思っています。
(特殊メイクと髭)2つの準備に毎回3時間強かかる
――信玄の特徴的な扮装やヘアメイクについても視聴者の皆さんから大きな反響を頂いていますが、阿部さんご自身はどのようにお感じになっていますか。
特殊メイクと髭がすごいですよね。この2つの準備に毎回3時間強かかる。朝一番で入って、その準備を経てからの芝居なので準備はすごく大変でした。でもおかげで、圧倒的な雰囲気を作ることが出来ました。