河合優実「こんなに面白いと実感できる台本もなかなかない」主演ドラマへの思いを明かす<家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった>
分からないことに乗っていくのがすごく楽しかった
――大九監督の演出はいかがでしょうか?
楽しいですね。後半にかけて思い悩むこととか、話し合わなきゃいけないこととか出てきましたけど、大九さんならではの思ってもみなかったような動きを突然要求されたり、このカットって何?みたいな、今なにを撮っているの?みたいな、分からないことに乗っていくのがすごく楽しかったです。特に七実が幼くて、人を笑わせるということを純粋に楽しんでいた時代を撮影している時の、大九さんの生き生きとした演出はめちゃくちゃ楽しかったですね。どうなってもいいからとりあえずやろうと思って。私も面白がってもらうことは好きだから嬉々として色々試してしまい、そのサービス精神が行き過ぎていないか、冷静になろうという瞬間はありました。
個人的にも、関西弁でここまでしゃべりまくって、笑ってほしい、褒めてほしいという役もなかったので、自分のまだ開けたことのない扉を開ける感じがしてすごく楽しかったです。家族を支えて困難に立ち向かっていく主人公を誰かが描くとして、ここまで変でひょうきんでポンコツでダメだっていう、こんな角度からの主人公って大九さんだからだし、岸田さんだからだなと感じました。大九さんと七実の相性がすごく良かったんだろうなと思います。
この家族に愛が生まれたと思います
――ドラマの見どころを教えてください。
最初からこれは面白いものになるっていう気持ちがずっとあって。撮っている時にそういう手応えがあることってなかなかないので。大九さんが編集しないと私も分からない部分がたくさんあるけど、感覚的にこの人にゆだねたら自分が現場で感じているよりもっと鮮やかなものができるんじゃないかって思いが日に日に増していきました。
でもいちばん大きかったのは、ちゃんとこの家族を実感できたことです。葵くんというものすごい光を持っている弟がいて、素晴らしい先輩方が大きく自由に居てくださって、ちゃんと3カ月間家族が関係を築きあげられたと思うんです。沖縄でメインビジュアルの写真を撮影して、それを拝見したんですけど、その写真1枚見るだけで、これはいいドラマになったぞって、本当にそう思いますね。大きな言葉を使うと、この家族に愛が生まれたと思います。
SMR(SME)(D)