穣は豊を誘って、母秘伝の料理を作ることに
種を見て、穣は「なるほど、おまじない」とパッと表情を変え、「夕飯決定!」と言って行こうと豊を促す。状況が飲み込めてない豊を、「ほら、早く」と当然のように家に誘う穣のようすにキュンとなる。
上田家の台所で「エイ!ヤア!」とおたまでインスタントラーメンを砕く種。穣たちの母親秘伝のスペシャルメニュー、ラーメン炒飯を作ることに。穣の母は穣が元気がないときに、卵入りの炒飯に細かくしたラーメンも加えた「ラーメン炒飯」を作ってくれたのだ。
母のレシピ通りに作る穣。熱したフライパンに黄色い卵がジュワッと広がり、そこに白いご飯も加わって食欲がそそられる。そのようすを種と一緒に見る豊。種がよく見えるように前向きで除きこませつつ危なくないように豊がしっかり抱えているところがかわいすぎる!
「炒飯だけでも美味しいのに、ラーメンも入れちゃいまーす」という母親の笑顔にもほっこりとさせられる。直接的に言葉でなぐさめずに、穣の気持ちを明るくさせようとするようすに母の愛が感じられる。
日常のなかにお互いがお互いをいたわって愛情を注いでいる姿が随所に感じられる。いつもながら、胸をジーンと熱くさせてくれた。
◆構成・文=牧島史佳