岸井ゆきのと若林正恭の意外なつながり
今年3月10日におこなわれた第46回日本アカデミー賞授賞式。そこで最優秀主演女優賞に輝いたのは「ケイコ 目を澄ませて」(2022年)の岸井ゆきのだった。涙ながらに受賞の挨拶をすませた彼女は、日本テレビ用インタビュースペースで手を振って迎えるオードリー若林正恭を見つけると、うれしそうに駆け寄って手を合わせた。
若林と岸井は、2015年に放送されたコント番組「SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜」(テレビ東京ほか)で共演した間柄。当時はまだ知る人ぞ知る存在だった岸井を彼女が出演した舞台を見て起用したのはプロデューサーの佐久間宣行だった。
撮影の合間にはシャドーをする仲に
AV女優を「処女」だと言い張る「ガチ恋病」の発田を若林が演じ、岸井は若林が恋するAV女優つばめと、春日(俊彰)演じるグルメブロガー「中華の魔人」が訪れていた中華料理店店主の娘のふた役を演じていた。その岸井の役は実は同一人物で、オムニバスコントだと思われていたコントがつながっていたと分からせる重要な役回り。
人見知りで知られる若林だが、収録が始まってみると、通っているジムが一緒だったり、共通点がいろいろあり、最終的には撮影の合間にシャドーをする仲になったという(「お笑いナタリー」2016年3月25日)。岸井がその後もたびたび「SICKS」や若林についての話をしているように、彼女にとってひとつの転機だったに違いない。