ユニットコンビ「たりないふたり」として数々の漫才を生み出した、オードリーの若林正恭と南海キャンディーズの山里亮太の半生を基にしたドラマ「だが、情熱はある」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)。5月28日放送の第8話で、ここまで八方ふさがりだった若林(高橋海人)の人生に少し光が射し始めた。そのきっかけとなる若林のトーク力を最初に評価した放送作家・藤井青銅氏役をまさかの本人が演じ、“リトルトゥース”(オードリーのファン)たちは、「本人!」と大騒ぎ。知らない人には完全に「誰!?」な「青銅さん」がTwitterのトレンド5位になるほど盛り上がった。 (以下、ネタバレを含みます)
“ナイスミドル”から“オードリー”に
このドラマは、若林と山里の半生を基にした、“ほぼ実話”の青春サバイバルストーリー。“極度に人見知りな超ひねくれ男”(若林)と、“妬み嫉みの固まり男”(山里)、そんなたりない2人の友情物語でもないし成功物語でもないが、もがきながらも“情熱はある”人生を描いていく。
2005年、若林と春日は、所属事務所の社長(チャンス大城)に寿司をごちそうになっている時に、社長からコンビ名の変更を提案される。1つめの候補は、カウンターのネタが目に入ったから思いついただけに違いない“うにいくら”。そして、もう1つは、「見た目が地味だから、せめて名前だけでも派手に」と、オードリー・ヘップバーンから戴いて“オードリー”。若林的には聞いた時点で消去法で一択。“ナイスミドル”は“オードリー”になった。
春日の部屋でトークライブ開催
続けて若林は、社長に「トーク力を伸ばしたいから」と、トークライブを開く許可をもらった。だが、会場の予約もレンタル代も自分たち持ち…。どこも考えていた以上に高く、若林は悩む。その時、隣で転がって携帯ゲームをしていた春日が、春日の住む“むつみ荘”の部屋でやろうと言い出した。それならタダだから、と…。これが伝説の「小声トーク」だ。定員10人。阿佐ヶ谷駅に集合した参加者を、春日が迎えに行って“むつみ荘”まで引率するという前代未聞のシステムだ。
月に1回開催される「小声トーク」は、“むつみ荘”に住むダジャレ好きの老人を飛び入り参加させたり、売れっ子の先輩芸人・谷勝太(藤井隆)をゲストに呼んだりしながら、毎回楽しかった。そんな彼らを見て、谷は「こんなに売れない事を楽しんでる地下芸人って、そうそう居ない」と、イヤミではなく感心するのだった。若林の祖母も、「(ちゃんとした会場じゃないただの部屋で)恥ずかしい話するの、カッコつけてなくてカッコよかった!」と言ってくれた。客10人の自宅ライブなんてみじめだと思いつつも、自分が吐き出した事を聴いてくれる人が居る…若林はちょっと幸せを感じていた。
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