役所広司が、5月30日に都内で開催されたNetflixシリーズ「THE DAYS」のワールドプレミア舞台あいさつに登場。先日フランスで開催された「第76回カンヌ国際映画祭」で最優秀男優賞を受賞し、29日に帰国したばかりということで、MCや共演者から祝福を受け、役所が喜びと感謝を語った。
19年ぶり2人目の最優秀男優賞
「第76回カンヌ国際映画祭」に出品された主演映画「PERFECT DAYS」で、「誰も知らない」(2004年)の柳楽優弥以来、日本人としては19年ぶり2人目の最優秀男優賞を受賞した役所。イベント冒頭、MCから祝福を受けると、役所は「昨日帰って来ました。皆さんの応援がカンヌまで届いていました。どうもありがとうございます」と感謝を込めた。
続けて「『THE DAYS』も『PERFECT DAYS』もちょっと名前が似てますけども…(笑)。この作品はみんなで本当に力を合わせて志を持って作った作品です。今日は恐らく世界で唯一映画館のスクリーンで第1話を見られるお客さんではないでしょうか。ぜひゆっくり楽しんで、まだ8話までありますんで見てください。よろしくお願いいたします」と笑顔を交え、主演ドラマをアピールした。
福島第一原発事故をドラマ化
同ドラマは、2011年に起きた福島第一原発事故を、事実に忠実に圧巻の臨場感でリアルに描くNetflixシリーズ。入念なリサーチに基づき、三つの異なる視点から事故を克明にとらえた極限のサスペンスと臨場感みなぎる重層的な作品で、6月1日(木)よりNetflixで全世界同時配信される。「あの日、あの場所で何があったのか」を政府、会社組織、そして原発所内で事故に対峙(たいじ)する者たち、それぞれの視点から全8話かけて描く。役所は福島第一原発の所長を演じる。
そんな今作が、世界190の国と地域で配信されるということについての思いを聞かれ、役所は「この話を増本(淳)プロデューサーから頂いたときは、実際に起きた福島の原発の事故とか、亡くなった人の遺族とか、故郷をなくした方がたくさんいらっしゃる中で、ドラマにしていいんだろうかと躊躇したんですけど、増本プロデューサーと会って、とにかくあの日、あそこの中で何が起きていたのかを伝えるべきじゃないかと。増本プロデューサーとしてはこれから廃炉に向けても長い年月、何かを伝えることはまだたくさんあるはずだと。そういうものを自分でライフワークとしてやり続けていきたいという思いを聞いて、それでシーズン1として参加したいなと決断しました」と吐露し、出演を決めた経緯についても明かした。
さらに「事故の時の恐怖心がだんだん薄れていくんですけど、もう一度こういう時代だからこそ、エネルギーについて一人一人が考えていかないといけないし、国民一人一人が判断して、投票もしなきゃいけなくなるかと思います。この配信ドラマをきっかけにもう一度あそこに立ち返って、考えていただきたいと思います」と、力を込めた。
そして最後に、役所は「ぜひ、この配信ドラマを見ていただいて、『こういうドラマがあったよ』と皆さんもいろんな人に発信してください」と呼び掛けた。
なお、今回のワールドプレミア舞台あいさつには役所の他、竹野内豊、小日向文世、小林薫、遠藤憲一、石田ゆり子、 増本淳プロデューサー、西浦正記監督、中田秀夫監督も登壇した。
◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)