スクールアイドルグループ・Liella!の3rdライブツアー、「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~」が3月5日、ベルーナドームでファイナルを迎え、2期生メンバーが加入し9人となった初めてのライブツアーは大盛況で幕を下ろした。Liella!の3期生メンバーやユニットなどが発表されるなど、「ラブライブ!スーパースター!!」のさらなる盛り上がりが期待される。そこで、WEBザテレビジョンではLiella!メンバー全員の短期集中連載リレーインタビューを実施。Liella!メンバーのナンバー順にお届けするロングインタビューの3番手には、嵐 千砂都役の岬 なこが登場。これまでの「ラブライブ!スーパースター!!」のTVアニメ放送の振り返りやリレーインタビューとしてメンバーのペイトン尚未への感謝のメッセージなどを存分に語ってもらった。
「留学してほしい」のセリフを言うだけで、全身に力が入ってしまいました
――TVアニメ2期では、Liella!のラブライブ!優勝と、かのんの留学にまつわるエピソードが、続きが気になるストーリーで描かれています。「物語が続く」ことを予感させる内容でしたが、そのストーリーを知って、どう思いましたか。また、担当するメンバーの心情を、どのように表現しようと思いましたか。
やっぱりちぃちゃん(嵐 千砂都)にとってかのんちゃん(澁谷かのん)は、自分の人生を変えてくれたとってもとっても大事な人で、幼馴染という枠だけでは収まらないくらい尊敬の念であったり、もしかしたらちょっとライバルだと思っているかもしれない。でもそんな大事な人が自分の目の前からいなくなるってどんな気持ちなんだろう、ということが最初に浮かびました。結果的にTVアニメ2期では「どうなっちゃうの!?」で終わって、留学には「あれ?行かないの…?」となるんですが。留学に対しては、かのんちゃんがLiella!のみんなのことを思って、自分のことも考えて1番迷っていたと思うんです。でももしかしたらちぃちゃんは「自分に相談しなかったのはどうしてなのかな」と、本当に少しだけ、そんな感情があったんじゃないかなと台本をいただいた時に感じました。
かのんちゃんが大事だからというのもありますが、だからこそTVアニメ2期第11話でウィーン・マルガレーテちゃんにあんなにしがみついて「教えてほしい」と聞きに行ったんじゃないかなと。マルガレーテちゃんが、出会ってから短期間でかのんちゃんと少なからずコミュニケーションをとって、わたしよりも知ってることがあって、「わたしにはなんで相談できなかったんだろう」と一瞬引っかかったと思います。でもそんな気持ちをちぃちゃんが常に持っていたら「留学してほしい」とは言わなかったと思いますし。やっぱり誰よりもかのんちゃんのことを理解しようとして、理解しているからこそ、1番輝く姿でいてほしかったんじゃないかなと。「留学してほしい」のセリフを言うだけで、アフレコの時に全身に力が入ってしまいました。第11話のアフレコはそこで終わってしまうので、このまま連続で第12話まで録らせてくれないのかなと思っていたんですけど(笑)。でもちぃちゃんの少しの引っかかりとか、それでもかのんちゃんを前に送り出したいという少し複雑な気持ちが、「観てくださっている皆さんに届け~!」と思ってアフレコしていました。
――本音からすれば、千砂都は誰よりもかのんと離れたくないわけですよね。それでも行ってきてと言わなければいけない。
どのくらい感情をぐるぐるさせたらあそこにたどり着くんだろうなと。ちぃちゃんの性格からすると、幼い頃はかのんちゃんの後ろをついて行っていて、「かのんちゃんがいるから頑張ろうかな」と思っていた部分が強かったと思うんです。だけど、大きくなったちぃちゃんは「かのんちゃんの隣に並ぶための自分はどんな姿になったらいいんだろう」「どのくらい強くなったら胸を張って並べるんだろう」と考え方がシフトしていったんじゃないかなと。「胸を張って隣に並びたい」という気持ちが前に出て、2年生になって後輩も入り(スクールアイドル部の)部長になって、自分の気持ちを優先させるのではなく、より相手の気持ちを尊重したいと思ったからこその結論なのかなと思います。
――3rdライブツアーの時の話でもおっしゃっていましたが、後ろにいるのか、肩を並べて横にいるのかというのはまったく違いますよね。
そうですね。TVアニメ1期の第6話でちぃちゃんがスクールアイドル部に入る時に、「わたしはずっとこの瞬間を夢見てた気がするんだよね」という言葉をそっとつぶやいていて。あそこでやっと彼女の中のスタートラインに立てたんじゃないかなと。まだまだきっと戦っているんだろうな、常に戦っているんだろうな、TVアニメで見えないところでも戦っているんだろうな、と思っています。
――TVアニメ1期、2期を通して心に残っているシーンはどこですか?
物語の中でいうと、日常シーンでのメンバー同士がトランプやゲームをしてふざけ合ったり、わちゃわちゃしているところが結構好きです。でもやっぱり一番は、ちぃちゃんの心の葛藤が目に見えて大きかったTVアニメ2期第11話、第12話が心に残っていますね。わたし自身もちぃちゃんに本当に聞きたいことは、「どうなっちゃうの?」で終わったかのんちゃんに対して、何て言ったんだろうということ。でもきっとその答えみたいなものがアルバム『Second Sparkle』のちぃちゃんのソロ曲の歌詞に全部詰まっているんじゃないかなと。
――確かにタイトルを見ただけでそうだなと感じさせるものがありますね。
「君を想う花になる」。わたしの中でどうしてもこの楽曲を自分の口から「かのんちゃんに対する曲なんです!」と明言したくなくて。TVアニメを見てくださっている皆さんだとそう感じる方がきっと多数いらっしゃると思うんですが、でもやっぱりかのんちゃんに対してだけでなく、聴いてくださっているあなたにとっての花になりたいという曲になってほしいので。ちょっと濁します。(笑)