奈緒が主演を務める木曜劇場「あなたがしてくれなくても」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)。6月8日に放送された第9話は、みち(奈緒)と新名(岩田剛典)がそれぞれある決断をする展開でTwitterのトレンド1位を獲得する反響を呼んだ。そのなかで、みちの後輩・華(武田玲奈)と、新名の妻・楓(田中みな実)の上司である川上(MEGUMI)の言葉も視聴者の心をとらえた。(以下、ネタバレを含みます)
みちと新名がそれぞれ決断する
同ドラマは、2017年から漫画雑誌「漫画アクション」にて連載をスタートし、2018年には電子書籍「めちゃコミック」の年間ランキング1位を獲得したハルノ晴の同名コミックが原作。セックスレスをテーマに、問題を抱える2組の夫婦が出会うことで崩れていく夫婦関係や複雑にもつれていく関係を描く禁断の恋愛ドラマとなる。
主人公で建設会社の営業課で働く32歳の吉野みちを奈緒、その夫でカフェの雇われ店長をしている陽一を永山瑛太、みちの会社の上司・新名誠を岩田剛典、その妻でファッション誌副編集長の楓を田中みな実が演じる。
第9話では、みちと新名、それぞれがパートナーに離婚を切り出すラストを迎えた。その物語の中での華(武田玲奈)と川上(MEGUMI)の言葉は鍵ともなるものだった。
「人生何周目?」な華の言葉
もともと新名のことを不倫でも隙あらば狙おうと思っていた華は、恋愛に積極的で、たびたび“格言”的なことを発していた。視聴者からは「華ちゃん人生何周目?」「どんな人生経験積んだらここまで達観できるのか…」という声が上がるほどだ。
例えば第5話。鋭い観察眼でみちと新名のことに気付いた華は、あっさりと新名から手を引くのだが、楓と偶然会って動揺するみちに対して「日の当たらない恋は覚悟が必要なんです。これから進む道は、旦那さんも新名さんの奥さんも、周りを深く傷つけることを自覚してください。そのうえで自分がどうするのかきちんと決めてから進むんです」と言った。
また、第7話では陽一が浮気したことを知って愚痴るみちに「浮気がバレた旦那さんも罪だけど、先輩一人だけが被害者なんですかね?」と言い、さらに翌日に「旦那さんって、そんなに悪いことしました?先輩、気持ち分かるでしょ。浮気なんて現実逃避以外なくないですか?つらい分だけ、遠くに逃げようとしちゃいません?」と指摘した。
そのたびに自分の状況を振り返ったみち。そして、第9話では、「物にも人にも思い出添付しちゃダメですよ。捨てづらくなるだけ。それ愛着じゃなくて執着ですからね。失うことを恐れてしがみついていると、ほら両手がふさがってな~んにもつかめませんよ」と発言。それは自分が3人の恋人と別れてフリーになったことを明かしつつの言葉だったが、新名のことなのか、陽一のことなのか、何かを暗示するようだった。
そして、その通りになるのである。かつて「陽ちゃんとの今が苦しいのは、きっと私と陽ちゃんには過去も未来もあるから」ともう一度陽一と向き合おうとしていたみちが離婚を切り出したということは、過去の思い出を手放して進もうとしたのではないか。