7月8日、映画「メアリと魔女の花」が公開された。本作はスタジオジブリ制作部門の解散後、新たに立ち上げたスタジオポノックにて米林宏昌監督が初めて手掛けた長編アニメーション映画。
主人公・メアリは7年に1度しか咲かない不思議な花「夜間飛行」を見つけたことで一夜限りの不思議な力を手に入れ、やがて魔法世界で起こる大事件に巻き込まれていく。
「ポノック」とはクロアチア語で深夜0時のことで、新たな一日の始まりという意味が込められている。「メアリと魔女の花」は、スタジオジブリで「借りぐらしのアリエッティ」(2010年)や「思い出のマーニー」(2014年)を生み出した米林監督の、新たな船出を飾る作品だ。
そんな本作で、ヒロインの声に杉咲花が起用された。杉咲は「思い出のマーニー」に出演しており、また「借りぐらしのアリエッティ」を大好きな作品だと語る。
杉咲に、オファーを受けた時の心境や、「メアリと魔女の花」への思いを聞いた。
──オファーを受けた時、どのように感じましたか?
私のことを覚えていてくださったんだと思って、とてもうれしかったです。1度ご一緒した方にまた声を掛けていただけるのは、幸せなことだなと思いました。
──米林監督と再会して、どんなことを話しましたか?
一度、ご飯をご一緒させていただいたのですが、その時に「また一緒にお仕事できるんだな」と実感しました。その時はアフレコの半年くらい前だったので、まだどんな作品になるかイメージはできなかったのですが。
──以前「借りぐらしのアリエッティ」が大好きだと話されていましたが、米林監督作品の魅力は何でしょうか?
色がたくさん使われていて、一度見ただけで忘れられない映像になっていることだと思います。「借りぐらしのアリエッティ」は、特に緑色が印象的でした。私は(アリエッティの声を演じた)志田未来さんに憧れていたので、そういう思い入れもあって、自分にとって特別な作品なんです。
──今作の映像については、いかがですか?
メアリが魔法大学を初めて訪れるシーンで、「すごい」というせりふがあったんです。でも、映像を見て、私は思わず「きれい」と言ってしまって。それを聞いた監督が「これはリアルな言葉だから、こっちにしよう!」と言ってくださって、採用になりました。そのくらい、(今作でも)映像の力が強いと思いました。
──「思い出のマーニー」の時と今回とで、声優を務める上で心境に違いはありますか?
私はどんな役を演じる時も、思いは変わらないです。でも、メアリはとにかくせりふが多いので、見てくださる方が私の声に飽きてしまわないかとか、叫ぶところが耳障りじゃないかなどの不安はありました。
そんな時に、監督から「メアリと一緒に楽しんでほしい」と言われたんです。それが、自分にとって救いの言葉でした。だんだん、アフレコを楽しめるようになっていきました。
7月8日公開
全国東宝系にてロードショー