コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“好意を寄せる人の発言に翻弄される女の子”を描いた漫画『ツンデレの才能が絶望的にない子の話』をピックアップ。
作者である漫画家の久川はるさんが、2023月4月17日に本作をTwitterに投稿したところ、9000件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では久川はるさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
頑張って好きな人の“タイプ”に寄せようとするのだが…
物語は、主人公の菜々美が聡太の家へ訪れるシーンから始まる。部屋へ入ると聡太は“最近ハマっている”というアニメを観ており、菜々美に対して「なぁこのヒロイン可愛くない?」「ツンデレでツインテールって王道に可愛いよなー!」と話しかける。
それを聞いた菜々美は「ふーん…」と言って不機嫌そうな表情を浮かべ、「…わたし帰るね」と突然言い始める。聡太が「え?一緒に観ようよ!」と誘っても“帰る”の一点張り…。どうやら菜々美は、自分とは違うタイプの女性を「可愛い」と言った聡太の発言に嫉妬してしまったようだ。
しかし翌朝、寝ている聡太を起こしに再び部屋へやって来た菜々美の髪型は、なぜかツインテールに変わっているのだった。さらに菜々美は腰に手を当てて、「あんたが寝坊するとあんたのお母さんが朝ご飯のお皿洗えなくて困るんだからね!」と強めの口調で聡太を叱る。
突然のことに聡太は「…え?菜々美どうしたの?その髪型…」と尋ねるのだが、「なによ!なんか文句あんの?!」とツンツンした態度で反論。そんな彼女をよそに、聡太は「いや、ツインテも似合ってて可愛いなって…」と本音を漏らす。
すると聡太の言葉を聞いて顔を赤らめた菜々美は、一瞬で嬉しそうな表情へと変わり「そ、そんなこと言われたって全っ然嬉しくないんだからね!」と言いながら、思わず喜びが顔に出てしまうのだった――。
聡太の好きな女性キャラの特徴をマネようとするも、素直すぎて見事にツンデレが失敗してしまった菜々美。彼女のキュートな一面が描かれた本作に対して、ネット上では「好きな人の前で感情がダダ漏れしちゃう姿が可愛すぎる!」「それはそれで可愛い(笑)」「ツンデレもいいけど、素直で不器用な子も最高!キュンキュンした」などのコメントが寄せられている。
こだわりは「菜々美のツインテールの高さ」
――『ツンデレの才能が絶望的にない子の話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「相手のことが大好きでたまらない気持ちがダダ漏れな子って可愛いな」と思ったのがこの作品を描いたきっかけです。
あとはTwitterのテキストだけで見た時にフックになるようなワードとして、「ツンデレの才能がないってどういうこと!?」と思ってもらえるようなタイトルを考えて、そこから逆算していったところもあります。
――本作では、聡太の何気ないひと言で、その時の感情が顔に出てしまう菜々美がとてもキュートで印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
実は菜々美のツインテールの高さにこだわっています。耳より上の高さで結んでいるのが個人的に可愛いポイントです。私は女性アイドルさんが大好きなんですが、ラビット・スタイルと呼ばれる高めのツインテールが似合う方が推しになりがちなんです。
推しのツインテール姿を参考に、菜々美は後れ毛や前髪の残し方にもこだわって描いたので、見てもらえたら嬉しいです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「いや、ツインテも似合ってて可愛いなって…」と、さらっと菜々美を褒める聡太のセリフが気に入っています。照れもてらいもなく、女の子を褒められる10代の男の子ってなかなかいないんじゃないかと思うのですが、「だからこそ出来たらカッコいいよな」と憧れを込めて描きました。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
「ツンデレ」とか「地雷系女子」とか、みんなが知っていてなんとなく無意識下でイメージが固定されている単語ってあると思うんです。例えば「おじさんと女子高生」って聞くと、反射的にちょっと不道徳な関係を想像してしまう…みたいな。
そういった無意識に思い浮かべるイメージを「どういう展開にしたら裏切れるかな?面白いかな?」というところから発想していくことが多いです。
――久川はるさんの作品は、キャラクターの表情がとても丁寧に描かれているため、その時の感情が絵だけでも伝わりやすいと感じました。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
ありがとうございます!私は状況説明をセリフに頼ってしまいがちなので、絵でより多くのことが伝えられるよう精進していきたいです。また、より多くの方に読んでいただきたいので、男女どちらの読者さんにも好きになってもらえる絵になるよう心がけています。
――今後の展望や目標をお教えください。
より漫画とイラストのお仕事の幅を広げていきたいです。猫を飼っているので、猫関連商品の広告案件や、小説の挿絵のお仕事にも携わりたいと思っております。お仕事のご相談は、HPフォームのほか、pixivやTwitterのDMからでも随時受け付けております!ご依頼お待ちしてます!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
これからも、読者の方が疲れている時でもクスッと笑えるような漫画をお届けできたらと思っております。既刊コミックスの『ゆりこん』『ねこのマッサージ屋さん』『おじさんが女子●生に悪いことを教える話』、そしてKindleで個人出版している『白い猫と暮らしている漫画』『視える子と祓える子の話』もぜひよろしくお願いいたします!