眞栄田郷敦「勝頼の道を突き進むことができた」最期のシーンを振り返る<どうする家康>
松本潤が主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第26回「ぶらり富士遊覧」が、7月9日に放送された。同ドラマで、武田信玄(阿部寛)の息子・武田勝頼を演じたを眞栄田郷敦からコメントが届いた。
勝頼はきっと生涯父のことは意識し続けていただろうと
――勝頼の最期についてお聞かせください。
勝頼は四男で、そもそもは自分が武田家を継ぐと思っていなかった人。上の3人が亡くなったり出家したりで自分の順番が回ってきたので、武田家を継ぐということに対して、複雑な思いもあったのかなと思います。
そんな中、偉大な父・信玄からかけられた「そなたは、わしのすべてを注ぎ込んだ至高の逸材じゃ」という言葉。自信になったでしょうし、父亡き後もずっと心の支えにしていただろうと想像しました。父からは「わしのまねをするな。そなたの世を作れ。そなたの器量はこのわしをはるかに凌ぐ」という言葉ももらいましたが、勝頼はきっと生涯父のことは意識し続けていただろうと思います。
そんな自分からやっと変わることができたのが、第26回勝頼のラストシーンだったのかなと。信じて付いてきてくれた仲間を逃がしても、自分は戦い抜いて散ると覚悟を決め、「我こそは、武田四郎勝頼である」と言って敵に立ち向かっていくシーン。最後の最後は、自信を持ち、戦を楽しみ、父を意識するのではなく一人の武将として生き、勝頼の道を突き進むことができたのかなと思っています。最期のシーンは監督とも話をして何度か変わりましたが、良い形になったかなと思っています。
所作や体の動かし方も現代劇とは全然違う
――無事クランクアップされた今のお気持ちは?
ご一緒する先輩方が素晴らしい役者さんばかりで緊張もありましたが、自分がやるべきことは家康にとって大きな敵として存在することだと思っていたので、とにかくそこを意識してきました。武田家を継ぐ者として、他の武将に負けない何かを出せたらというのは常々思いながらここまでやってきて、視聴者の皆さんにどうご覧頂いたかは分かりませんが、今の自分にできる精いっぱいの勝頼を演じられたかなと思っています。
初めての時代劇という面では、所作や殺陣の稽古を重ね、本番でも先輩方を見て学ばせていただきましたが、所作や体の動かし方も現代劇とは全然違っていて。自分の引き出しの少なさに反省しておりますが、自分の課題も見つかり、この作品に参加できて良かったなと思っています。今後、時代劇に挑戦できた際は、今作の自分を超えられるよう努めます。