俳優、声優、YouTuberとして幅広いフィールドで活躍しており、WEBザテレビジョンで「月刊染谷WEBマガジン」を連載中の染谷俊之。彼の最新主演映画「パラダイス/半島」が7月21日(金)から公開される。そこで染谷をはじめ、共演の吉田美月喜、立川かしめ、稲葉雄介監督に集まってもらい、座談会を実施。その模様を前後編に分けてお送りする。後編は撮影の裏話などを聞いた。
「本番中に悲鳴が聞こえてきて驚いた」(染谷)
──ここからは撮影の裏話を聞いていきたいと思います。今年3月に行われた「完成披露試写会」でも話されていましたが、「立川かしめ寝坊事件」や「吉田美月転倒事件」など、いろいろな出来事があったそうですね。
かしめ:はい、僕は撮影の終盤に一度寝坊しました。美月喜ちゃんと僕の2人だけのシーンで、撮影開始が朝6時からと早かったんです…。
吉田:私は先に到着してメイクを始めていました。スタッフさんと「かしめさん、まだ来ないけど、大丈夫ですかね?」と話していたんですが、まさか寝坊していたとは(笑)。
稲葉:僕はかしめさんが寝坊するのが怖かったから、撮影の前半は撮影現場(稲葉監督の自宅)に寝泊まりをしてもらっていたんです。でも途中からもう大丈夫だと思ってホテルに移らせたらやらかしましたね(笑)。
かしめ:それまでずっと緊張しっぱなしだったんですけど、ホテルに移ったことで安心感が出て、加えて蓄積疲労と前日に入ったお風呂がすごく気持ちよくて、爆睡してしまいました。この件は反省しているので、もう勘弁してください(苦笑)。それよりも美月喜ちゃんのケガのほうが心配したよ。
吉田:畑につながる石段を下りるシーンだったんですけど、水を撒いたあとで地面が濡れていて、ツルっとすべって転んじゃいました。
染谷:本番中でカメラが回っているのに、突然「キャー!!」という悲鳴が聞こえてきたから本当に驚いたよね。
稲葉:染谷さんの単独シーンでカメラには美月喜さんは映っていなかったんだけど、声だけはしっかり入っていました。
かしめ:血がたくさん出ているのに、「大丈夫です」って撮影を続けようとするから、周りが必死に止めていた(笑)。
吉田:自分の不注意だったので、みなさんにご迷惑を掛けてしまうことが申し訳なくて…。出血はしていたんですけど、マネージャーさんがすぐに的確な処置をしてくれて、ファンデーションで隠してその後も撮影を続けることができました。
ボウリング大会でビリになり、罰ゲームを課せられたのは?
──そのほかにエピソードはありますか?
稲葉:染谷さんだけのシーンを撮影していたら、僕の後ろから美月喜さんとかしめさんがモニターを覗き込んでいて、ずっと雑談しているんです。あまりにもうるさいから「ちょっと静かにしてくれ!」って注意しました(笑)。
吉田:染谷さんの演技の所作が一つ一つ本当にていねいなんです。台本には書いていないけど、「これをやったら、確かにそう見えるかも」という細かいお芝居を随所に散りばめていて、かしめさんと「わー、すごい!」、「あれ絶対に意味がある演技だよね」と盛り上がってしまい、監督に怒られました(笑)。
染谷:そんなことがあったの? 全然気づいていなかった(笑)。でもそう言ってもらえて、素直にうれしいですね。
かしめ:あと撮影が早く終わった日の夜に、ボウリング大会をしました。ホテルの近くにボウリング場があるって聞いて「だったらみんなで行こうか」となったんですけど、染谷さんは絶対来ないと思ってた(笑)。
染谷:なんでだよ!(笑)。
かしめ:ユニコーンのように孤高で高貴な存在の染谷さんが、僕らとボウリングなんて野蛮な遊びはしないだろうと。クリケットを誘ったら、来てくれただろうけど(笑)。
稲葉:僕はちょっと遅れて合流したんですけど、染谷さんがラフな格好でボウリングしていて本当に驚いた(笑)。
染谷:みんな、僕のことを何だと思ってたんですか?(笑)。撮影が早く終わったし、全然行く気満々でしたよ。実際めちゃめちゃ楽しかったし。
──誰が優勝したんですか?
稲葉:あれ、誰だっけ?
染谷:(誇らしげに)僕ですよ!
かしめ:あっ、そうだ。染谷さん、練習のときはボロボロだったのに、本番になったら急に調子がよくなって優勝したんだった。
染谷:罰ゲームがかかっていたからね。
吉田:練習のときは私のほうが勝っていたんですよ。だからハンデをあまりもらえなくて。なのに本番になったら、私がダメダメになっちゃいました。
染谷:最下位だった美月喜ちゃんは罰ゲームとして、次の日の撮影で強面の助監督の頭を突然叩くという指令を与えたんだけど…。
吉田:すみません、結局できませんでした。やっぱり無理ですよ!
染谷:美月喜ちゃんがなかなかやらないから、みんなでせっついていたんですけどね。プロデューサーさんは気を効かせて「ドッキリ大成功」というプラカードまで用意しちゃって(笑)。事が大きくなり過ぎて、逆にやりづらい雰囲気になっていた。
吉田:さすがに頭を叩くのはできないですけど、そのプラカードがあるなら、違うドッキリでよければできると思って、いくつか別の指令も出してもらったんですけど、タイミングがどんどんなくなっていって…。とうとうやらずに終わってしまいました。
かしめ:美月喜ちゃん、演技中は堂々としているけど、普段は煽りに弱いよね。まあ、まだ19歳だから仕方ないか。
吉田:今年の3月で20歳になりました!
染谷:撮影(昨年の夏)のときは19歳だったのに、20歳になったのか。おめでとう。姪っ子役だから、つい親戚のおじさん目線になっちゃう(笑)。