コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、漫画家・イラストレーターのムライさんによる『京都鴨川納涼猫』という1作だ。
6月30日に本作をTwitterに投稿したところ、好評だったようで、3.3万件を超える「いいね」が寄せられている。作者のムライさんにインタビューをおこない、創作のきっかけやこだわった点などについて語ってもらった。
巨大な猫との遭遇…京都では「たま~にある事」
彼氏との待ち合わせまでに時間の余裕があった主人公の女性。京都の四条大橋から鴨川沿いを歩き始めるところから物語は始まる。
歩いている道中、橋の下に鎮座する巨大な猫と出会う。「猫は大きくなっても猫は猫で、虎にはならないな」など考えつつ、巨大な猫の毛の中に「モズッ」と侵入。猫のモフモフの毛を持ち上げると、体の下にはぺちゃんこに潰れた段ボール箱があり、「この箱に入っているつもりなんだ。大きくてもやっぱり猫は猫なんだ」と主人公は1人で納得する。
巨大な猫の毛から抜け出た時、主人公は眼鏡を失くしてしまっており、そのことに後から気づく。
物語の最後、場面は喫茶店に移る。彼氏と合流した主人公は巨大な猫との遭遇について語り、失くした眼鏡を戻って探していたから時間に遅れたと説明。「京都ってたま~にこういう事あるよね」と語る主人公に、待たされた彼氏の反応は…。
突如登場した巨大な猫が好評のようで、ネット上には「1度でいいから巨大猫をモフりたい」「確かに京都なら巨大猫がいてもおかしくない。それにしても猫が可愛すぎる」といったコメントが相次いだ。
「私にとって猫は謎な生き物」実は猫を飼ったことがない作者・ムライさんが語る作品へのこだわりと猫への思い
――『京都鴨川納涼猫』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
京都を舞台にした漫画を描きたいと思いながら、鴨川沿いを散歩していたときのことです。三条大橋から出町柳まで歩いて、鴨川デルタ(三角州)で休憩していたのですが、ちょうど橋の下で猫が川を眺めていているのが見えて「いい光景だなぁ」と。そこから話を広げていきました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
猫のお腹の下にダンボール箱があるところです。大きさは猫らしくないけど、やっぱりこの猫は猫なんだな~とわかるところです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
ラストシーンの「京都ってたま~にこういう事あるよね」のところです。京都という場所だからこそ言えてしまう最後のセリフと、そんな不思議なことを言う主人公と付き合っている彼氏との関係性が気に入ってます。
――個人的に大型の猫が好みなのですが、同作のような巨大な猫を描こうと思ったキッカケは何かあったのでしょうか?
憧れです。大きな猫とお昼寝したり、モフモフしたり、吸いたい(笑)。そんな願望があります!
――“巨大な猫との遭遇”が遅刻した理由として語られていますが、これは主人公の嘘の発言とも読み解くことができます。その辺りの解釈は読者に委ねているのでしょうか?
そうなりますね。実はラストシーンで主人公の彼氏の反応をどう描くか迷ってたんです。「まぁ京都だしな」もしくは「そんなことあるかー!」で(笑)。そこでいつも漫画のアドバイスをくれる夫(編集者)に下書きを見せたら、「無反応の方がいいじゃない?」と。確かに実際読んでくださった方の反応が「あるある」と「ないない」と分かれていたので、漫画の中で反応を決めなくて良かったなと思いました。
――他の作品でも猫が登場していますが、描く際に意識していることはあるのでしょうか?
私にとって猫って未知の存在というか謎な生き物ってイメージなので、掴みどころがないような感じに描いています。だから作品毎によって全然違う猫になってると思います。
――今後の展望や目標をお教えください。
描くことが好きなので、健康に気をつけつつ絵や漫画を描いていきたいです。それと気づいたら猫ばかり描いてますが、実は私は猫を飼ったことがありません。なので、いつか環境を整えてお迎えしたいなぁと思ってます…!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも読んでくださってありがとうございます!他にもいろんな猫の漫画を描いていますので、チェックしてもらえたら嬉しいです。それと新しい作品も描いていますので、早くお届けできるよう頑張ります!