極限まで追い詰められた人間の本性を描いたドラマ「なれの果ての僕ら」(毎週火曜深夜0:30-1:00ほか、テレビ東京系ほか)。8月1日に放送された第6話では、ついにみきお(犬飼貴丈)本人から“実験の目的”が語られる。最愛の人の死、そして意外過ぎる実験の最終目的に、悲痛な叫びがこだました。
「なれの果ての僕ら」とは
同ドラマは、「週刊少年マガジン」および「マガジンポケット」で連載・配信された内海八重の漫画が原作。同窓会に集められたクラスメイト23人を襲うのは、誰も予想だにしていない監禁劇だった。極限状態に追い詰められたときに暴かれる、人間の“狂気”を克明に描いた衝撃のサスペンス作品だ。
主人公のネズ(真田透)を演じるのは、NHKドラマ「麒麟がくる」などに出演したHiHi Jets・井上瑞稀。さらに監禁事件の首謀者であり、“人間の善性”への興味から残虐な実験始めた夢崎みきおという難しい役柄を、実力派俳優・犬飼貴丈が演じる。
憎悪が生み出した悲劇
前回の実験で誰からも「必要な人」に選ばれず、それどころか「不要な人」としてナイフで腕を傷つけられた杉田将矢(新原泰佑)。YouTuberとして活動している将矢の強い承認欲求を逆手に取り、みきおが彼の精神を追い詰めていく。
ネットリンチを引き合いに出し、“身勝手な言動は共有される”と語るみきお。先の実験で「天使陣営」と「悪魔陣営」を分けた「誰が誰を嫌いな人として指名したのか」について、あえて黒板に書き出したのだ。
もちろん「不要な人間」の烙印(らくいん)を押された将矢は、自分を「嫌いな人」として指名した4人の名前をしっかりと頭に焼き付ける。「殺す殺す殺す…」と壊れたようにつぶやく将矢を解放しながら、「罰を与えようと思ったけど、もういっか。キミを必要としてる人間は誰1人いない…ネットだと人気者なのにね」ととどめの言葉を投げかけるみきお。将矢はうずくまって「俺は不要な人間じゃない」と頭を床に叩きつけると、おびえた表情を浮かべながら部屋を飛び出した。
多くの人間が将矢を追いかけ、間もなく屋上にいる将矢が発見される。狂気を目に宿した将矢は、屋上にそろったメンバーに「俺がいらないなら、お前らもいらないだろ!」と絶叫。手に持ったコンクリートブロックを振り回し、クラスメートたちを殺害しようとする。
勢いあまって転び「なんなんだよお前ら…なんで誰もかまってくれないんだよ…!」と嘆く将矢に、ネズが手を差し伸べた。「落ち着いて話そう。仲間だろ…」と近づくが、壊れてしまった将矢にもう声は届かない。再度暴れ出した将矢から、ギリギリでかばってくれたのは桐嶋未来(大原櫻子)だった。
みんなに知られないように振る舞ってきたが、実は恋人同士であるネズと未来。「危ないことしないでって、何回言ったらわかるの…」と泣き崩れる未来を必死に抱きしめるネズだったが、将矢はそれを隙と見た。男子3人に取り押さえられたことで一度は沈静したように見せかけ、急に駆け出すことで手を振りほどく。そしてその勢いのまま、ブロックで未来とネズに大きく振りかぶった一撃を叩きつける。