イーライ・ボーン撮影監督、こだわり抜いた照明での裏話を語る
撮影監督のイーライ・ボーンが映像において特に重視していたのは、ドラマティックなコントラストを持たせた照明、配置構成を使ったフレーミング、ネガティブ・スペースの使い方の三点だった。「ブギーマン」には、暗闇が多く使われている。しかし、その奥行きの中間地点を映像的に濁ることなく影側に属するものにすることが重要だった。
イーライ・ボーンは「ホラー映画で必要とされる照明のコントロール・レベルは、他のジャンルのそれよりもトリッキーです。暗闇になるギリギリのところまで攻め込まなければいけませんからね。暗いシーンに明るいエリアを取り入れることが大切になってきます。たとえば窓とかキャンドルの火とか常夜灯によって、フレームにコントラストが生まれます。顔が見えるようにすることも大切ですが、フルに照明を当てられた顔であってはならない場合もありますからね。なので、暗い映像の全体が濁っているのではなく、そこに明るいポイントを置くことが重要なのです」と語っている。
レンブラントやカラヴァッジョなどの名画から影響を受けてできた映像
暗いフレームにおける光の使い方は、レンブラント・ファン・レインやミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョといった“光の魔術師”とも呼ばれる往年の名画家の絵画から影響を受けている。照明テクノロジーの進化により革命を起こしたとされるバッテリー式のLEDユニットにより、「とてもシンプルに、そして画に害を及ぼすことなく、フレームに絵を描くことができるようになりました」と語る印象的な照明が効果的な映像となっている。
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