追い込まれた人間の本質を描くドラマ「なれの果ての僕ら」(毎週火曜深夜0:30-1:00ほか、テレビ東京系ほか)。8月15日に放送された第8話では、物語が大きく動く重大事件が発生した。極限状態に追い詰められた人間の狂気と抗おうとする善性の闘いが、改めて動き出す。(以下、ネタバレを含みます)
「なれの果ての僕ら」とは
同ドラマは、「週刊少年マガジン」および「マガジンポケット」で連載・配信された内海八重の漫画が原作。同窓会に集められたクラスメイト23人を襲うのは、誰も予想だにしていない監禁劇だった。極限状態に追い詰められたときに暴かれる、人間の“狂気”を克明に描いたサスペンス作品だ。
主人公のネズ(真田透)を演じるのは、NHKドラマ「麒麟がくる」などに出演したHiHi Jets・井上瑞稀。さらに監禁事件の首謀者であり、“人間の善性”への興味から残虐な実験を始めた夢崎みきおという難しい役柄を、実力派俳優・犬飼貴丈が演じる。
意味深すぎるみきおの言葉…真意は?
それぞれのチームが決めたリーダーが、メンバーに対して苦痛を与えられるリモコンを手にした。割り振られた番号をスイッチするだけで、対応する番号の人の腕に巻かれた装置が着用者に激痛を与えるのだ。
あまりにも非人道的な装置だが、みきおは操作説明代わりにメンバー全員に対してスイッチを作動。痛みのあまり床に這いつくばるクラスメイトたちを見たリーダーたちは、むしろ恐怖を感じたような表情を見せていた。長谷部弘二(佐久本宝)を除いては…。
各チームがそれぞれの部屋に戻る前、みきおは宣言通り自分の銃を誰に渡すか決めるために「じゃあまた1時間後、声かけるね」と教室を後にする。しかし部屋を出る直前、ふと振り返って視線を送る。わずかな時間の所作だったが、ネズはみきおの視線の意味をしっかり捉えていた。
ネズが部屋を訪れると、扉に手をかけるより先にみきおが中から出てくる。「やっぱり来てくれた」とどこか嬉しそうなみきおに、ネズは困惑したようすで「なんだよいまさら」と質問をする。するとみきおは「実験の最後にふさわしく、語り合おうじゃないか」と言ってネズを部屋のなかに招き入れるのだった。
場面は変わり、各チームが待機する教室へ。ネズのいる月岡小紅(吉田伶香)、石井礼夏(工藤遥)、黒田大輝(西村拓哉)チームは、クラスメイトからの裏切りで心身に傷を追った礼夏が、戻ってきたネズを問い詰める。彼女はネズとみきおが共犯なのではないかという疑心暗鬼に駆られ、ネズへ強い態度を取り続けていた。ネズが正直に行動を打ち明けても、クラスメイトから制止を受けても、その態度が改まるようすはない。
しかし「話してきた」というネズの行動を、小紅が「自首を勧めにいったんですね」と読み解いたことで少しの変化が。ネズのまっすぐな行動と言葉を真実と認めたのか、言葉こそ強いものの強硬な動きは鳴りを潜めるようになった。