そして、上川の大好きなものシリーズ。2回目は上川が愛してやまない「アニメーション作品」について聞いた。
――今パッと思い浮かぶ、上川さんが大好きなアニメ作品は何でしょうか?
最近の作品で「本当にいいなぁ」と思ったのは「龍の歯医者」(NHK BSプレミアム)です。スタジオ「カラー」さんの作品で、2月に前後編にわたって放送されました。
「日本アニメ(ーター)見本市」という場で公開された、いろいろな方がお作りになった5分前後の短編作品のうちの1本を、長全編アニメーション化した作品です。
その5分間の作品ですらとても見応えがありました。しかし長編化した事でスケールアップした完全版は、こちらの想像をはるかに超えた、上質なファンタジーに仕上がっていました。
しかもファンタジーにとどまらず、辛辣(しんらつ)な風刺の部分もはらんでいて、考えさせられるんです。また出演者も豪華な上に、制作しているのがカラーさんですから、見る前からクオリティーには何の不安もなかったんですが、実際冒頭から最後まで、実に素晴らしいクオリティーの映像と演技が、ぎっしりと詰め込まれていました。
最後に締めとして流れる「ぼくらが旅に出る理由」(RINKU)という曲がまた秀逸でした。作品オリジナルのアレンジが加わえられているんですけど、この曲と作品とのシンクロ具合が見事で、「なんとセンスのいい作品なんだろう」と打ちのめされました。
アニメーションが好きな方には、強くオススメいたします。