内野聖陽が主演を務める映画「春画先生」が、10月13日(金)より全国公開される。公開に先駆けて9月14日に完成披露舞台挨拶を実施し、イベントには内野聖陽、北香那、柄本佑、安達祐実、そして塩田明彦監督が登壇。映画完成の喜びや、それぞれの役どころ、偏愛しているものなどを赤裸々に告白した。
内野のギャップを柄本、北が語る
同作は、春画の魅力を真面目に説く主人公とその弟子を中心に描かれる偏愛コメディー。“春画先生”こと芳賀一郎を内野、弟子の春野弓子に北、春画先生の担当編集・辻村俊介を柄本、ストーリーの鍵を握る芳賀の亡き妻の姉・藤村一葉を安達が務める。劇映画で無修正の浮世絵春画が「R15+」で上映されるのは日本映画史上初となる。
内野は撮影について「芳賀先生のキャラクターにたどりつくまで、何度もテイクを重ねましたが、割と最初のほうで“コレだ!”と(役を)掴める日がありました」と話した。柄本は内野に対して「現場に向かう時のストイックさと、普段のお人柄の柔らかな感じのギャップがかわいいと思っています」とコメントし、北も「撮影中はとてもストイックだと思っていましたが、カメラが回っていない時に笑ってもらえたりすると、“1笑顔ゲット!”とうれしくなっていました」とギャップを解説。
安達が内野に鞭を打つシーンの撮影では「芳賀先生はM的な気質のあるキャラクターなんです。僕自身はどちらかというとSキャラだと思っていたのですが、安達さんに打たれた瞬間に発見しちゃいました。Mだったんだって(笑)」とユーモアたっぷりに撮影シーンを振り返った。
また、柄本と安達は北の芝居について、「僕が割と怒らせるという役どころ。強いけど、非常にかわいらしい怒りっぷりが素敵でした。この体、この顔から出てくる険しい感じが弓子という役にピッタリな気がして。側で(北の芝居を)見れて幸福でした」と絶賛。
安達も「北さんと対峙する場面があります。こちらが放ったものに対して、すごく向かってきてくれて。その瞳の強さというのでしょうか。いたいけでもあるのに強くもあって。心に刺さり、とても素敵だと思いました」と芝居の印象を語った。
偏愛するものを発表するコーナーで熱弁する4人
塩田監督は2015年に足を運んだ春画展に触れながら、「会場は満員の山手線のような感じでした。エネルギーが渦巻いていたあのときの雰囲気や印象は映画に反映されていると思います。春画は卑猥なものとして扱われてきたけれど、違う一面が見えてきたんです。自分のものの見方が一枚めくれたと感じた瞬間があり、それをみなさんにも体感してほしいと思いました」と映画の構想が浮かび上がった瞬間を明かした。
映画にちなみ、今、偏愛するものを発表するコーナーでは、内野は野菜作りにハマっていると述べ、北は10歳年下の妹について溢れる愛を表現した。柄本は「ずっと偏愛しているのは池袋の新文芸坐という映画館」と回答。長く偏愛することはあまりないと言いながらも「この5年くらいはボクシングにハマっている」という。安達はレゴについて熱弁。「一緒に作り始めた7歳の息子が途中で飽きてしまっても、私1人で黙々と作り続けています。没頭できるし、雑念が取り払われるので、すごくハマっちゃいます(笑)」と話した。
最後の挨拶で内野は「本作は難しいお話ではありません。男性と女性が出会い、そこから繰り広げられるものには、奇抜なものや性愛に関する話も出てくるけれど、映画を観終わったら、性愛に対しておおらかになれると思います。ここは笑いどころなの?と思ったら、躊躇せずに笑ってください。塩田ワールドの仕掛けを存分に楽しんでください!」と作品をアピールして、笑顔でイベントを締めくくった。
KADOKAWA / 角川書店