神木隆之介主演の連続テレビ小説=朝ドラ「らんまん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。9月19日放送の第122回では、植物学教室を去る万太郎(神木)の姿が描かれた。教授・徳永政市(田中哲司)の人柄がにじむ別れのシーンに視聴者からも感動の声が上がり、SNSでも「徳永教授」がトレンド入りするほどの反響を呼んだ。(以下、ネタバレを含みます)
万太郎、植物学教室を辞す
幕末から明治、そして激動の大正・昭和を舞台に、高知出身の植物学者・槙野万太郎が植物学の道を突き進む姿を描いてきた「らんまん」。第25週「ムラサキカタバミ」では、国の政策によって失われようとしている紀州熊野の森と植物たちを守りたい万太郎が、大学を去る様子が描かれている。
「これまで、大変お世話になりました」と辞表を取り出した万太郎。年明けに伐採が始まる前に、なんとか紀州熊野の植物たちを守りたい。そのために翌日以降、熊野の森に自生するツチトリモチの植物画を載せた図譜と資料を各所に送り始めるという。「これは、大学には関わりありません。私一人の行動です」。万太郎なりの、けじめだった。
「本当にいいのか?」
万太郎の勝手な行動を問題視していた徳永だが、その覚悟を知り最初に発したのは「本当にいいのか?」という気遣いの言葉だった。「植物学者として働きたいなら、今は満州がある。大陸の大地が――」。
大学から去ることで、万太郎は今後、植物学者としてこれまでのような活動はできなくなる。それをよく知っているからこそ、徳永は万太郎の顔を覗き込むようにして「本当にいいのか?」と確認したのだ。表面上は対立していても、徳永が万太郎を理解し、受け入れたいと願っていることがよくわかる。
だが、万太郎の心は決まっていた。