コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、マンガ家の秋野ひろさんの作品「温泉行った日にちょっっとだけ不服に思う瞬間」をピックアップ。2023年8月26日にX(旧Twitter)に投稿された本作は、1.9万を超える「いいね」を獲得。本作が投稿されると、「めっっっちゃわかる!」「毎回思ってた」など多くの共感の声が寄せられた。
「12」を押したのに…自販機のアームが向かった先に“ちょっっと”の疑問
温泉から上がった主人公は、脱衣所の暖簾をくぐってすぐ横の自販機で飲み物を買おうとする。自販機といっても普通の自販機ではない。温泉施設でお馴染みの、瓶のコーヒー牛乳などが並ぶ自販機だった。
このタイプの自販機は、商品の横に番号がついている。小銭の投入口の近くにある数字が書かれたボタンの中から、欲しい飲み物の番号を押す。数字のボタンを押すことで、その飲み物の場所までアームが移動して商品を取り出し口まで持ってきてくれる仕組み。温泉に行ったことがあれば、一度は目にしたことがあるはずだ。
主人公はコーヒ牛乳を買うために小銭を入れて、「12」をプッシュ。しかし自販機のアームが向かったのは、なんと「15」のコーヒー牛乳の列だった。彼の視線をよそに、アームは気にする素振りも見せず「ガコッ」と音を立てながら商品を取り出した…。「12」の「コーヒー牛乳」を取るようにボタンを押したのに、手元にあるのは「15」の「コーヒー牛乳」。彼はなんとも言えない表情で一点を見つめていた。「別にいいけど…」、「なんで他の番号から取るん?」コーヒー牛乳は買えたが、何かスッキリしないお風呂上がりとなった。
本作を読み終えた読者からは、「一瞬あせるからちゃんと正しいとこきて」「まさに今!14のコーヒー牛乳ポチったのに43から取りやがった!」「どの番号か友達と賭けてあそんでます」など思わずクスッと笑ってしまうようなコメントが多数寄せられている。
「投稿文でほぼ内容を察せるくらいまで書くように」せりふの少ない漫画を書く工夫
――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
日記感覚でちょくちょくマンガを載せているのですが、温泉行った日に「そういえばこの自販機毎回ちょっと気になるな」と思い出して描くことにしました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
正直あんまりないんですが、逆に「もっとこだわればよかった」という後悔として、4コマ目の表情をもうちょっと良い感じにできたかもなと思います。
言葉で伝えるのが難しいんですが、「すん……」って感じの顔にできればよかった気がします。
――3コマ目の主人公の顔は、これからくる理不尽を知っている顔に見えます。何度か通っている温泉なのでしょうか。
家から一番近い温泉で、定期的に友達と行きます。そこの自販機でコーヒー牛乳を買うたびに不服な気持ちになってたんですが、すぐ忘れてたのでなかなかマンガのネタにできませんでした。
――セリフの少ない漫画を作るとき、気を付けていることはありますか。
ちゃんと伝わるか不安で仕方ないので、投稿文でほぼ内容を察せるくらいまで書くようにしています。仮にもマンガを描いてる身として良い方法なのかはわかりません…
――普段の生活から「漫画のネタになるかも」というできごとを見つけるコツはありますか。
なんとなく面白いなと思ったらメモをとるようにはしています。
友達の発言とかもメモしてたのですが、大学時代の友達にふんわりと「それキモイよ」と指摘してもらい、以降はトイレとかで隠れてメモするようになりました。
――今後の展望や目標をお教えください。
いま『よしもと虫学校』というマンガの作画をやらせてもらってるのですが、そのマンガを今回の投稿の10倍くらい読んでもらえるようにしたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
面白いコメントが来るとスクショして見返すくらいうれしいので、そういうコメントがたくさんもらえるように頑張ります。
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