コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、村崎ユカリさんの「理想のアンドロイドを作る話」をピックアップする。8月27日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、5万以上の「いいね」が寄せられるなど大きな反響を呼んだ同作。村崎ユカリさんにインタビューを行ったところ、友人の手助けが意外な“味”になったのだと語ってくれた。
「理想」のつまったアンドロイド
時代は2083年、今よりも先へ辿った未来のこと。1人一体アンドロイドを所有しているのが一般的になりつつあった。いまやロボットは買い物や力仕事を任せることができるという便利な道具というだけでなく、顔や声・性格を自分好みにできるというカスタムサービスまでおこなっているようだ。
ある女性は夫が亡くなってから幾分か経ちながら、アンドロイドに頼らず一人暮らしを続けていた。娘と孫からは「心配だからアンドロイドを買え」と、最近になって何度も言われているそう。友人に相談してみたところ、その友人もアンドロイドを所有していて趣味全開で楽しんでいた。利便性だけではない、それ以上の魅力が詰まったアンドロイドの素晴らしさを余ることなく語ってくれた友人。それを聞いて乗り気になった彼女は、ついにアンドロイドを買うことを決めたのであった。
さっそく女性は友人と一緒にお店へ出向き、自分の好みのアンドロイド「理想のお手伝いさん」を描いた紙を持って注文へ。しかしその紙に描かれていたのは、細部までこだわり抜かれた独特な設定の文章が…。「魔界の第二王子」「気持ちが昂ると右目と左腕のタトゥーが血の色に光る」などなんとも香ばしい設定の数々を見た店員は、クールに告げる。「彼のキャラと矛盾した描写が気になります」。友人の「そこ!?」という心の声は無視され、どんどん設定が煮詰っていく。3カ月後にはついにできあがったアンドロイド「ギルディア＝ロッド＝シン＝ダークスター」が家族の元へやってきて…。
「その子のセンスのお陰で凄く味のある最高のイラストに…」意外な手がアクセントに
――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
ロボットのニュースを見ていて「あと何十年かしたら一家に一台アンドロイドがいるのが普通、みたいな世の中になるのかな」「どうせならカスタムドールみたいに好きなパーツが選べて、声や性格も設定できたら老後が楽しいだろうな」と考えているうちに思いつきました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
作中に出てくるギルディアのイラストは普段絵を全く描かない友達に下絵を渡してペン入れをお願いしたものなんですが、その子のセンスのお陰で凄く味のある最高のイラストになっているので是非そこを注目していただきたいです。
――非常に若い感性をお持ちのおばあ様ですが、これまでお友達にはそんな片鱗を見せなかったのでしょうか。
恐らく年を重ねるにつれ趣味の幅が広がってマイルドになっていったのもあり、普段は同年代の一般的な感性に話を合わせて生きてきたと思うんですが、「理想のアンドロイド」を作るとなり自分の趣味・嗜好を改めて突き詰めて真剣に考えた結果ああなったんだと思います笑
――幸い娘さん・お孫さんもハマっていたようですが、ギルディアくんは今後どんな生活を送るのでしょうか。
恐らくギルディアからマスター(おばあちゃん)への好感度は0から5段階くらいあるようにあるように設定されているので、これから時間をかけてゆっくり攻略していくのではないでしょうか。
孫はおばあちゃんの影響を受け、自分も理想のアンドロイドを作って欲しいと父親にねだり始めてると思います。母もこぞって参戦します。
――おばあ様は絵心があるようでしたが、もしかして元々そうした趣味があったのでしょうか。
漫画・アニメ・ゲーム作品の二次創作をお若い頃に嗜まれていた過去があるのではないかと思います。推しキャラで夢小説を書く活動をしていて、漫画も描いてみようと思い絵の練習もしてみたものの人前に出す勇気が出ずそのまま…というエピソードはありそうです。
――今後の展望や目標をお教えください。
おばあちゃんの影響を受けて自分も理想のアンドロイドを作ろうとする孫の話や、自分の欲望をさらけ出せずに無難な注文をする客の本心を見抜いて背中を押してくれる店員の話、おばあちゃんの家に遊びに行くたびに親密度により出迎えのセリフが変わるギルディアの話などは描いていけたらと思ってます。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
現在別に商業作品(「政略結婚はオタ恋のはじまり」) （こちらも是非読んで頂きたい）を連載中なので、隙間時間にはなってしまうんですが描きたい話はいくつかあるのでゆっくり楽しく続編を描いていけたらなと思ってます。よかったら時々X(旧Twitter)を覗きに来て頂けると嬉しいです！
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
KADOKAWA
発売日： 2022/04/05
