新リアリティー番組『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』が、Huluにて独占配信中。バラエティ番組「¥マネーの虎」の演出・プロデューサー栗原甚とシンガーソングライターの広瀬香美がタッグを組み、“新時代の歌姫”を発掘するオーディション番組だ。広瀬の顔を型どった“香美マスク”を歌姫候補たちに着用させ、ビジュアルに左右されない審査を目指すというのもユニークな同番組。重視するものは歌声。広瀬と歌姫候補たちが対峙する1stステージの様子が放送された第2話を考察と共に振り返る。
モノマネではなく、自分なりの解釈と表現が大切
番組ホームページで“新時代の歌姫”を発掘するオーディションについて告知後、1カ月半で約1500の応募があった。その中から選ばれた42人の歌姫候補が、香美マスクを着用して1000人以上を収容できる大ホールに集合。広瀬の生演奏に合わせて、マンツーマンで課題曲を歌っていく。課題曲は、Alexandrosの「ワタリドリ」や平井大の「Stand by me, Stand by you.」など、男性アーティストの人気楽曲6曲が対象。広瀬はあえて難易度が高い課題曲を選んだことについて、審査前に全員へ「楽曲をどう解釈して、どう表現するのかを吟味したい」と理由を明かした。
そんな広瀬の想いに応えたのが、東京都在住の21才女性だ。「自分らしさを追い求めて、絶対にモノマネにならない歌を。ずっと高校生くらいのときから課題でもあったので。そこは自分で研究できたらいいかなと思っています」と話し、TUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」を熱唱。音楽専門学校卒という経歴だけあって、気持ちのいい高音を明るくパワフルに響かせる。この女性に対して、広瀬は、「あなたはこのステージ、クリア。マスク・キープで。マスクを外さずに、次のステージへ進んでください」と合格したことを伝える。「この(会場の)空気をあなたが制覇していたのを私は見ました」というコメントは、出演者の表現力がたしかに認められた証といえるだろう。
一方、Original Loveの「接吻」を歌った岡山県在住の大学生は、「このステージでフィニッシュです。マスク・オフ」と告げられてマスクを外すことに。その理由は、とあるパートの歌い方。「それは、誰かのマネだ。あなたが作った(息の)抜き方じゃない」「真の歌手はモノマネはしないです」とキッパリ伝え、研究するようにアドバイスを送る広瀬。研究することで表現の幅が広がり、モノマネではなくオリジナルの歌になる。たとえオーディションには不合格だとしても、真の歌手に1歩近づくためのヒントを与えて送り出した形だ。
唯一無二の声は、歌い方次第でさらに魅力的になる
2話のラストに、大阪府在住で読者モデルをしている20才の女性が登場した。ショートカットの髪型とハスキーな声が印象的な彼女を、広瀬は「唯一無二の声」だと絶賛。しかし同時に「声が潰れている」とアドバイスを送り、改めて歌うように伝える。
女性は1回目よりもリラックスした様子で、軽やかな声で楽しそうに歌う。しかし広瀬は「あなたのために合格させてはいけないかなと思いました」「わたしのオーディションの次のステージにはいけても、あなたの歌声の次のステージにはいけないかなと思った」と厳しく講評。女性が涙を流しながら今のような強い歌い方になった経緯を話すと、広瀬は大きくうなずき、改善点を伝えたうえで「マスク・キープ」と伝える。
広瀬の言葉で、女性は重荷から解放されたように表情が明るくなった。挑戦者たちのウィークポイントを見抜く審美眼と、気持ちを前向きに変えさせる丁寧な言葉選び。ステージで歌っているときの広瀬とは違うプロデューサーとしての一面が次々明らかになっていく。
ビクターエンタテインメント
発売日: 2022/11/30