くろみんがキラリ光ると思う“すごい選球眼”の持ち主3選
――前回はMLBの花形でもあるパワーに側面を当てた“長打力”の注目選手を挙げていただきましたが、今回は真逆ではないのですが、いわゆるスモールベースボールに重要な“選球眼”についてお話いただけたらなと思っています。
黒見：はい。選球眼が良ければフォアボールをとることもできますからね。相手投手からすると、すごく嫌な選手ですよね、選球眼がいい人は。
――黒見さんがこの選手の選球眼は、すごくチームに役立っているなと感じるプレイヤーを３人挙げていただけますか？
フォアボールの重要性を力説
黒見：そうですね。エンゼルスのノーラン・シャヌエル選手と、カージナルスのラーズ・ヌートバー選手、パドレスのフアン・ソト選手にします。
――それぞれ、注目ポイントを教えてください。
黒見：シャヌエル選手は、ドラフト指名されて今年エンゼルスに上がってきたのですが、大学時代からすごく選球眼が良いと評判で、フォアボール率も高かったんですよね。初めてシャヌエル選手が出場した試合に、私はゲスト出演させていただいたのです。そのとき大谷選手が満塁ホームランを打ったのですが、しっかりとシャヌエル選手はフォアボールで出塁して、大谷選手の満塁ホームランを呼び込みました。１打席目は三振したのですが、しっかり2打席目で出塁。解説をされていた里崎さんも「１打席目は振ろうという意識が強くて三振したのですが、2打席目で、1打席目に三振した球をしっかり見極めてフォアボールを選んだのはすごい」と話されていました。その意味で、すごい選球眼の持ち主だなと思ったんです。
ヌートバー選手は、WBCでも、先頭打者としてフォアボールをたくさん選んでいましたが、所属しているカージナルスでもチーム状況があまり良くない時期に、しっかりとボール球に手を出さず、フォアボールで出塁していました。先頭打者が塁に出ることで、得点力も上がりますからね。ヌートバー選手自身、WBCに出場する際、チームに馴染めないのでは……と心配していたということだったのですが、明るいキャラクターや人懐っこさで、日本チームには欠かせない存在になりました。そういう人柄も含めて、選球眼の良い先頭打者と言えばヌートバー選手かなと思います。
3人目のソト選手は、ホームラン32本と長打力もすごいのですが、同時にフォアボール122はナ・リーグのトップ（9月18日現在）なんですよね。試合を拝見していると、大事な局面でしっかりフォアボールを選べる印象があります。ボール球に手を出さないからこそ、フォアボールも選べますし、ホームランも打てる。すごく選球眼の良い選手だと思います。
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