「昭和の非効率な捜査」に署員がついていく理由
湯川の“勘”から、爆破予告班の目星はついた。数年前に爆破騒ぎを起こして湯川に逮捕された沼田だ。ただ証拠はないため、張り込み用の部屋を借り上げて動向を監視することに。
しかし部屋を借り上げるとなれば経費がかかる。経費がかかるとなれば黙っていないのが円だった。捜査資料を読み込む大竹浩介(JP)と中西翔(徳重聡)に、なぜ“勘”などという非効率な捜査方針を掲げる湯川についていけるのかを問いただした。2人は「正直、湯川さんにはうんざりしてるよ」と言いつつも、「でも俺ら、湯川班だし」と答えになっているような、なっていないような言葉で煙に巻かれてしまう。
こうなれば聞かずには済ませられない円は、直接湯川のもとへ。いつものクレープ店で休憩する湯川に「どうしてみんな、疑いもせず湯川さんの勘に従うのかなって」と聞くが、やはり本人からも有力な回答は得られず。だが現金派の湯川が小銭を落とした音から、円は爆破予告電話を受けたときに聞こえた金属音を思い出す。あれが小銭を落とした音だとすれば、繋がる事実があるのだ。
爆破予告犯が公衆電話から署に電話をかけた際の防犯カメラの映像には、顔こそ写っていないが足元に不自然なほど多くの小銭が散らばっていた。時間と領収書をホワイトボードに貼りだした円は、それらをじっくり眺めてから「残業代を増やしている犯人がわかりました」とつぶやく。
時を待たず、次の爆破予告が舞い込んだ。場所は万町駅。しかし円は急ぐ湯川班を引き留めて「これはスワッティング(偽の通報によって警察官を派遣させること)です」と声をかける。今月は公衆電話からの匿名通報が多く、しかもそのほとんどが空振り…ガセネタだったということに気づいたのだ。そこで円は、現場近くで大量の10円玉を持つ人物に目をかけてはどうかと提案する。
円の提案のおかげで、事件現場に現れた条件に一致する犯人を確保。爆破予告の電話はすべてイタズラだったと判明し、事件は解決したかに思われた。しかし湯川の勘は、まだ最初に目を付けた男・沼田が何かを企んでいると告げる。根拠のない言葉に、円は「沼田への捜査に経費は一円も認められません!」と宣言するのだった。
背中で語る昭和の刑事
その後もわざわざ自費で張り込み部屋を借り直して、沼田の監視を続ける湯川。昭和の刑事が見せる現代においては時代錯誤な捜査と、指示されずともそれについていく湯川班メンバーに、円の混乱は深まっていく。
湯川の勘は当たった。なんと沼田は、自首の形で名乗り出てきたのだ。取り調べ室で実行犯を指示していたという繋がりを認めるも、過去の事件で見つからないままだった爆弾の場所は吐こうとしない。それどころか、「もうすぐかなあ。プレゼントが届くまで!」と邪悪な笑みを浮かべるのみ。
そのころ円は、湯川宛だという荷物を刑事課に運んでいるところだった。だがやはりと言うべきか、疫病神が運んできた箱に入っていたのは沼田が作った大型の爆弾。慌てて湯川が刑事課に駆け込み、それ以上の衝撃を与えるなと警告する。署員が固まった直後、沼田の声が響く。爆弾のスイッチを高く掲げた沼田は、湯川が取り調べ中に放った「納豆みたいな性格」という言葉へ謝罪を求めた。
湯川が気を引くことで生まれた一瞬のスキをついて拘束に成功するが、沼田は「5年も前の爆弾が動くわけないだろ」と狂言だったことを告白。しかしどんな不幸なのか、円が持った爆弾は勝手に起動を始めていた。作った本人すら「ありえない」と驚きつつ、一度でも間違えられない6桁のパスワードを入力しないと起爆は止められないという説明が。しかも沼田すらパスワードは忘れてしまっているというのだ。
ちょうど6桁という数字に反応して、捜査資料を読み込んでいた中西が当時の事件資料にあった「ナンプレ」を取り出してくる。だが爆発までは残り30秒…。あわやというところで、数字に強い円が一瞬にして9×9のナンプレから「634849」という答えを導くことで難を逃れた。
いざというとき、打ち合わせもなく息の合ったコンビネーションを見せた湯川班。最後に湯川から「なんのために働いているのか」と問われた円は、「人の役に立ちたいから」と答えた。その答えは湯川の「人を助けるため」とそっくりで、まだまだ粗削りながらも2人の絆を感じられる一幕だ。
SNSでは第2話について、「円と湯川さんのかけあい、テンポが良すぎて気持ちいい」「本人たちはソリが合わない認識なんだろうけど、ハタから見たら仲良し…って展開好き」「今週も円さんの金言出たな」「沢村一樹さん昭和の刑事の役似合うなあ」などといった声が続出。数字では見えない湯川の背中の大きさと、円とのやりとりを楽しみにしている視聴者は多いようだ。次回第3話では、毎年恒例の「一日警察署長」イベントがきっかけで湯川班がストライキを起こすという。