コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、原川ユキさんがTwitter上に投稿した短編漫画「恋の焦点」だ。12月4日時点で1.1万いいねがつく反響があり「最後まで読んでタイトルも上手いことに気づいた」など、タイトルの焦点と笑点がかけられているストーリーの上手さも話題となっている。今回は作者の原川ユキさんに制作の背景を伺った。
会話の中で繰り広げられる“大喜利”に注目
主人公は大喜利が好きなOL、山際聡子。彼女が恋をするのは前の席の青木さん…の隣に座っている女性、杉田さんだ。そんな杉田さんは、隣の席の青木さんに恋をしている。
各々一方通行の恋が繰り広げられている状況で、杉田さんの恋愛話を聞きながら彼女の幸せを願う山際さん。しかし、ある日山際さんは青木さんにアプローチをかけようとする杉田さんの行動を阻止した。
後日、青木さんは「山際さんてさ、俺の事好きじゃね？」と杉田さんに相談する。「は！？」と驚きながらも山際さんの行動を思い返し、妙に納得して勘違いをする杉田さん。山際さんに直接「今まで嫌な話を聞かせて辛い想いさせてたならごめんね」と謝りに行く。自分の気持ちがバレていると勘違いした山際さんだが、そこで2人の間にかけ違いがあることに気付いて…。その後、明かされる山際さんが杉田さんのアプローチを阻止した本当の理由とは…。
この漫画の見どころのひとつである“大喜利”は、ストーリー内の会話の所々で現れる。
例えば、杉田さんと一緒に焼肉ランチに行った山際さんは、自信をなくす杉田さんに対し「杉田さんと掛けまして、キラキラなミラーと解く」と急になぞかけをはじめる。驚きながらも恐る恐る「…そ、その心は？」と問う杉田さんに「社員（シャイン）の鑑（鏡）でしょう」と解いて、杉田さんを励ます山際さん。そのクオリティに感動する杉田さんが「あの…ザブトン（部位）注文しましょうか」と言うところまで、完璧な流れだ。
さらには、作品を読み終わると「そういうことか…！」とストーリーとタイトル名がかけられていることにも気付かされる。
また、実際に作品を読んだ人からは「素敵なお話にほっこりしました」「こういうのに弱いんだ」「朝からジーンと来ました」「最後あったかくて涙でた」など、読んで心温まるという感想が続出している。
今回は、漫画の作者・原川ユキさんに作品ができあがるまでの話を伺った。
恋愛ストーリー×大喜利 作者・原川ユキさんの創作背景とこだわり
――「恋の焦点」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
ネーム自体は数年前に作ったもので、〝シャレにならない出来事もシャレにして乗り越えよう〟というテーマで描き始めたと思います。山際さんという「大喜利が好きな女性」が漠然と心に生まれて、最初は婚約破棄された杉田さんが山際さんに『破棄だめに鶴ですね』と励まされるストーリーを考えていたのですが、紆余曲折の末違うものになりました。私自身は会話が下手なので、咄嗟に上手い事言える人を尊敬しています。
――「恋の焦点」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
山際さんからの想いを悟った瞬間の、杉田さんの瞳のきらめきです。山際さんにも読む人にも杉田さんの感情が伝わったら良いなと思います。
また、自分から申告するのは恥ずかしいのですが、タイトルを笑点とかけているつもりなのでそこも見て貰えたら嬉しいです…。（X掲載時は少しでも興味を持っていただけたらと、キャッチフレーズとして先に意味を記載しました。）
――「恋の焦点」の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
最後の杉田さんからのなぞかけです。「トイレットペーパーの芯じゃ語呂が悪いからどうしよう」と焦りつつ考えました。あとは二人で夜遊びするシーンや最後のページも好きです。笑顔の山際さんを描く事ができてホッとして気に入っています。
――原川ユキさんは恋愛作品を多く描いていらっしゃいますが、本作品を含めて意識している点やこだわりの点がございましたらお教えください。
恋愛をメインに扱った作品を描いてはいますが、キャラクターの色んな側面がある人生の中の、恋愛部分を特に私がピックアップして漫画にさせてもらっている気持ちでいます。
――原川ユキさんの今後の展望や目標をお教えください。
今の目標は新しく連載を始める事です。一つ一つ描いていった先に、良い未来があったらいいなと思います。
――最後に原川ユキさんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
作品を読んでくださってありがとうございます。口で上手いこと言えない分、漫画で楽しんでいただけるように頑張ります！
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
