コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、一日一種さんがTwitter上に投稿した短編漫画「ミツバチvsスズメバチの熱い戦い」だ。12月14日時点で7862いいねがつく反響があり話題となっている。元野生生物調査員の一日一種さんだからこそ描けるリアルな生き物の姿。作品を読んだ人からは「子どもにも見せたい漫画だな」「めっちゃ勉強になった!」など、楽しみながら学べるとの声もあがっている。今回は作者の一日一種さんに制作の背景を伺った。
熱い!熱すぎる!ミツバチvsスズメバチの戦い
弱肉強食の過酷な自然界。主人公となるのは、あるニホンミツバチだ。色々な仕事がある働きバチだが、外勤の仕事は年齢が上のハチが行うことになっている。そこに「よう!小娘たち!」と寄ってきたのは、幼虫の時に面倒を見てくれていた外回りのハチ。「熱くなりな!もっと熱くなりなよ!」という熱い外回りのハチを正直鬱陶しく思い主人公は「あっち行け!熱血ババア!」などあしらっていた。
そこにやってきたのは、ミツバチの天敵の一種であるオオスズメバチ。ミツバチの30倍の体重をもつオオスズメバチとの強弱は一目瞭然だった。しかし、巣には動けない幼虫がいる。ミツバチ達は子ども達を守るためにオオスズメバチに向かっていく。体の小さいミツバチは、集団でとびかかって筋肉を振るわせ、熱を発生し、スズメバチを封殺する技を持っていたのだ。
見事、オオスズメバチを倒したミツバチ達。そこには命を懸けて戦い切った熱い外回りのハチが倒れていた。主人公のミツバチは「おい!しっかりしろババア!」と、かけよる。しかし、体は段々と冷えていき最期の言葉を聞くこととなった。そこで思い出したのは、幼少期のこと。目の前で冷たくなっているハチが自分のお姉ちゃんだったということだ。
そんなタイミングでオオスズメバチの本体が仲間の敵討ちにやってきた。姉の死をうけて、「上等よ」「私たちとお前たち、どっちが生き残るか勝負!」と勝負に気合いを入れるミツバチだが、そこにはまさかの展開が待ち構えていた……。
実際に作品を読んだ人からは「引き込まれた」「胸アツ」「朝から泣いた」と感動したという声があがっている。しかし、最後まで読み「オチが最高w」「最高やでwww」「コレは反則だわw」など、いい意味で裏切られるオチに多くの人から面白いとの声が続出。予想外の結末をぜひその目で見届けてほしい。
今回は、漫画の作者・一日一種さんに作品ができあがるまでの話を伺った。
生き物の生態を学べる! 作者・一日一種さんの創作背景とこだわり
――「ミツバチvsスズメバチの熱い戦い」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
昔、本の執筆のため調べものをしていたら「熱殺蜂球」というニホンミツバチの技を知ったのがきっかけでした。
なんだか必殺技みたいな名前だな…と感じたのと、他にも、その技を使うと寿命が縮むとか、一度蜂球に参加した個体から積極的に次も闘いに参加するとか、まるで映画が一本作れそうな、よくできた設定(生態)だと思ってしまいました。
それと同時に、この物語が頭に浮かびました。
――「ミツバチvsスズメバチの熱い戦い」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
思いっきり脚色も擬人化もしてしまっていますが、基礎的なところはできるだけ生態に基づいて描くよう努力しているので、気づかなくてもいいのですが、気づいてくれた人がいたらちょっと嬉しいです。
(巣の温度を下げる送風係は、ニホンミツバチは巣の内側に向かって、セイヨウミツバチは巣の外側に向かって羽ばたく、とか…)
――「ミツバチvsスズメバチの熱い戦い」の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
1番最初の、モズに「はやにえ」にされてるカエルの絵でしょうか。残酷さをマイルドに表現しようとしただけなのに、なぜこうなってしまったのか…
でも個人的には気に入っています
――一日一種さんは元野生生物調査員で身近な生き物の魅力や面白さを表現するため漫画を描いていらっしゃるとのことですが、1番はじめに生き物の漫画を描こうと思ったきっかけがあれば、お教えください
元々はサラリーマンで、民間の調査会社で自然環境保全の仕事(環境アセス等)をしていたのですが、保全の現場では他の職業同様に理不尽なこともいろいろあり、真剣に自然と日本の未来を考えた結果、「普及啓発」こそが今は最も大切ではないかと感じたからです。
…というのは建て前で、本音は自身がコミュ障で陰キャで、サラリーマンよりも一人で黙々と自営業をやってる方が向いてると思ったからです(汗)。
――一日一種さんの今後の展望や目標をお教えください。
今後も「生き物」をテーマに、読者様がクスリと笑えるような漫画やイラストを描き続けていければと思います
――最後に一日一種さんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
拙作を読んでいただける読者様には本当に感謝しかありません。あまり返信はできていませんが、いただいたコメントやメッセージは全て見ています。
これからも幅広い層の人たちが楽しめるような漫画を作れるよう、努力していきますので引き続き観ていただけると有難いです。