慎治は拓也に見てもらうために試合に出ようとする
試合、当日。慎治はトイレで佐原と一緒になり、痛み止めを飲んでいることがバレてしまう。捻挫した足を庇っているうちに腰を傷めてしまったのだった。それでも慎治は拓也に見てもらうために試合に出るという。
慎治が佐原とやってくると、慎治のもとに試合を頑張ってくださいと口々に言って後輩たちが駆け寄り、慎治は顔を伏せて険しい表情になる。そこに土岐がやってきて、後輩たちをかき分けて慎治の前に歩み寄る。
睨むように慎治をまっすぐに見つめる土岐は、隣にいる佐原に「しっかり支えろよ」と告げると、いきなり慎治に頭突きを食らわす。倒れてしまった慎治に「はっ!これで今日の試合も出れねぇだろ、ざまあみやがれ!」と捨て台詞を残して土岐は駆け出していき、佐原は慎治を保健室に運ぶように指示して土岐を追う。そこに拓也がやってきて、静かに慎治を見つめるのだった。
慎治が無理をしようとしていることを察した土岐の不器用な優しさに胸が熱くなった。
◆構成・文=牧島史佳
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