コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、コミックDAYSで『今宵のメイドは殺せない』を連載中の真冬麻里さんが描く『海の底で怪異に遭う話』をピックアップ。
2023年12月9日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、8,700件を超える「いいね」や反響コメントが寄せられた。本記事では、真冬麻里さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画へのこだわりについて語ってもらった。
ダイバーとカメラマンが暗い海底で出会った生物とは…
光も届かない暗い夜の海をダイビングする男性と、それを撮影しているカメラマン。海底を進んでいくと、岩陰にタコの姿を見つける。周囲に気づかれないよう擬態しているタコの様子を見て、興奮するダイバー。擬態能力について解説しながらタコに近づき、“ツンツン”とつついてみたら…。
“え?なにこれ?やばい”
“ソレ”が本性を現した。下半身はタコのままだったが上半身は人間の女性の姿…。“ソレ”は怪異のタコで、獲物を待ち構えて擬態していたのだ。
怪異はダイバーにグッと近づいて手を伸ばし、今にも襲いかかる様子を見せたが、驚いたように後ろに向きを変え素早く去っていってしまう。危機を脱した状況だが、ダイバーは怖がる様子もなく興奮気味。“怪異が可愛かった”という理由で追いかけようとする。そして、ダイバーの姿が徐々に変化していく…。
瞬く間にダイバーの姿は先ほどの怪異と同様に、下半身がタコの姿に変わっていた。ダイバーはおもむろにカメラマンの方を振り返り、「腹減ったわ」とカメラマンを飲み込んでいく。そこには、その場を立ち去る怪異とともに、海底に転がるカメラの音だけが小さく響いた。
作者・真冬麻里さん「途切れることなく作品を描き続けたい」
――『海の底で怪異に遭う話』を描こうと思ったきっかけや理由などをお教えください。
元々、水面や海を見たり描いたりするのが好きで、その延長で水棲生物にも興味がありました。
タコの擬態能力について知り、それがきっかけでこの短編を書こうと思いました。
――女の怪異は最初、ダイバーを見つけて襲うような動作を見せますが、何かを察して逃げていきます。これはダイバーの怪異の方がより強い存在だったということなのでしょうか?
自分より強いというより、なんだ同族か…、というイメージで描きました。
獲物を探していたのに、同業者と鉢合わせて気まずい、みたいな。
――本作は、暗い海の不気味な雰囲気や怪異の描写など、全体的にインパクトの強い漫画だと思いました。真冬さんにとって特にお気に入りのシーンをお教えください。
タコが本性を現したシーンも好きですが、暗い海を一人で、ライトもなく泳ぐシーンも気に入っています。
――過去のX(旧Twitter)でのポストに“タコの描き方”という投稿があって大変興味深かったです。今回、タコの怪異を描くにあたって、特に力を入れた・こだわったポイントをお教えください。
タコの軟体動物らしさ、骨が無くグニャグニャで、でもちゃんと大きな質量のありそうな感じを表現できるように気を付けました。
――漫画家としての今後の展望・目標をお教えください。
途切れることなく作品を描き続けたいと思います。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
描いたものを見て貰えて、とても嬉しいです。
何かひとつでも気に入ってもらえれば幸いです。
1月10日に発売した単行本1巻、過去作全3巻も是非よろしくお願いいたします!