コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、墨染 清さんが描く『クールでパーフェクトな生徒会長がめちゃくちゃダサイと唯一気付いている俺の話』をピックアップ。
2023年12月18日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2.4万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、墨染 清さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
一片の隙もなく完璧に見える生徒会長の“もうひとつの顔”とは…
この学校には、冷静・冷酷で一片の隙もない“鋼鉄の生徒会長”がいる。生徒たちはみんな彼女を恐れ、また憧れている。
そんな完璧に見える生徒会長…実は裏では極度のあがり症だったり、何もないところで転んでしまったり、ダサい面を多く持っている。それは、副生徒会長である“俺”しか知らない。そして、“俺”のサポートによって、生徒会長は完璧な存在を保っていた。
ある日の会議。生徒会長と“俺”の2人で綿密な準備をして臨んだため、つつがなく終わる予定だったのだが…なんと想定外の事態が発生していた。生徒会長がなぜか制服のスカートを裏表逆に履いていたのだ。どうやら、6時間目の体育で間違えて着替えてしまったようだ。
絶体絶命のピンチ。生徒会長が青ざめる中、副生徒会長の“俺”が口を開く。“生徒会長がスカートの裏表を逆にしているのは「私は隠し事など何もしない」「正直に本音で皆とぶつかりたい」という覚悟でこの会議に臨んでいるからだ”と。すると、他の生徒たちは納得し、今回も生徒会長のダサさはバレずに済んだのだった。
X(旧Twitter)の投稿には、「生涯をかけてサポートしていかな」「良い関係」など、生徒会長と“俺”のやりとりを微笑ましく見守る読者からのコメントが多く寄せられた。
作者・墨染 清さん「言動が『ダサイ』キャラクターは人間臭さが出ている気がして親近感がわきます」
――『クールでパーフェクトな生徒会長がめちゃくちゃダサイと唯一気付いている俺の話』が生まれたきっかけや理由などをお教えください。
今作の前に暗い雰囲気の読み切りを制作していましたので、気分を切り替えるために明るいラブコメものをサクッと描きたいと考えたのがきっかけです。学園ラブコメを描くことが多いものの、生徒会を舞台にしたことが無いと気付きましたので、生徒会長と副会長を主人公に据えました。
――作品の中で、墨染さんが特に気に入っているシーンやセリフを理由と共にお教えください。
情けないキャラクターを描くことが大好きなので、生徒会長が副会長の俺に淡々と詰められて涙をにじませているところと、プレッシャーに圧し潰された生徒会長が吐き気を催しているところがお気に入りです。言動が「ダサイ」キャラクターは人間臭さが出ている気がして親近感がわきますね。
――生徒会長は、表の完璧な姿と裏のダサさのギャップが魅力的なキャラクターです。そして、“ギャップ萌え”という言葉があるくらい、ギャップは人の特徴として大きな要素のひとつでもあります。墨染さんにとって好きなギャップがありましたら教えていただいてもよろしいでしょうか。
今作のように「普段はクールなのに実際は情けない」というギャップがとても好きです。クールな女の子が顔を真っ赤にしているところなど、心を掴まれてしまいます。好きなギャップはたくさんありますが「隙」や「人間臭さ」を見せてくれるとより一層好きになりますね。
――今作の投稿へは多くの“いいね”とともに、続編を望む声もあります。続きを描くご予定はあるのでしょうか?
今のところその予定はありません。次々に新しい読み切りを描きたいという思いがあることと、生徒会長の魅力は今回で一通り見せられたように感じたからです。ただ、今作は私もとても楽しく制作できましたので、今後絶対に続編を描くことはないと言い切ることもできません。
――今後の展望・目標をお教えください。
読んでくださった方が登場人物に自分を重ねて楽しめるような、こんなキャラクターと家族・友達・恋人になりたいと思ってもらえるような、そんなお話を描けるようになるのが目標です。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも私の漫画をお読みいただき、ときにはご感想なども下さり、本当にありがとうございます。今後もみなさまに楽しんでいただけるよう一層精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。