オーブからザフトへ復帰。再びオーブへ戻った『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』
続編『SEED DESTINY』ではザフトを離れ、キラたちとオーブに身を寄せ、カガリのボディガードとして活動していた。しかし、プラントの現最高評議会議長ギルバート・デュランダルから軍への復帰を呼びかけられたことで意識が変化。ナチュラルとの融和政策に共感したアスランはザフトへの復帰を選択する。これが移籍第3ターンだ。
このときのアスランは地球連合軍と戦うことを望んでいたわけではない。あくまで戦争の拡大を食い止めようとする気持ちが強く、自分なりに今できる精一杯のことをやるという決意の表れであった。しかし、結果的にはこの選択が彼をより苦しめ、追い詰めていくことになる。後にして思えば全てデュランダルの思惑通りで、甘言にそそのかされたと言ってもいい。このときばかりはカガリやキラたちに一切の相談をしなかったことも含め短慮だったことは否めず、アスラン自身ものちに「俺は焦ったのかな?」「嫌だったんだ、何もできない自分が」と述懐しているのが何とも心痛いところだ。
しかし、戦争を止めるためにザフトに復帰したものの戦火は広がるばかりで、さらには再び動き出したキラたちとも戦うことになってしまうのは運命のイタズラだった。アスランはキラたちに戦いから引くよう説得するも、デュランダルに疑念を抱く彼らは受け入れず、2人は決裂してしまう。しかし、そのアスラン自身もデュランダルのやり方に不信感を募らせていき、結果、造反の危険ありと排除の対象にされてしまうのだ。
これがアスランの移籍第4ターンとなり、軍を脱走した彼はカガリに救助され、彼女やキラたちがいる部隊と合流する。ここでようやくキラと和解することができたアスランはこれまでの葛藤から吹っ切れ、最終決戦ではシンを行動不能に追い込むなど大きな戦果を上げることになる。
こうして振り返ってみると、明らかに判断を誤ったと見えるのは『SEED DESTINY』でのザフト復帰のみで、それ以外は仕方のない流れだったと思える。アスランは誰よりも真面目で正義感の強い性格なため、状況が変わるたびに「これが本当に最善なのか?」と思い詰めすぎるのも要因の1つかもしれない。ただ、キラ、カガリ、ラクスに対する親愛の情は最後まで一貫しており、決して裏切るつもりで行動しているわけはない。キラたちへの親愛が時に自身の判断を複雑なものにしてしまう傾向があったが、そうした優しさもまた、アスランの大きな魅力なのだと感じている。
映画では諜報機関ターミナルに出向中
そんなアスランだが、『SEED FREEDOM』ではオーブ軍に所属しつつもターミナルという組織に出向していることが判明した。このターミナル、映画での新組織に思えるが、実は『SEED DESTINY』の時点でその存在はほのめかされている。例えば、PHASE-24「すれ違う視線」ではフリーカメラマンになっていたミリアリアがターミナルを介してアークエンジェルに電報を送ってきたことが台詞として出てきている。組織の全容は知れないが、オフィシャル設定では世界各国にエージェントが潜む非政府の独立諜報機関ということで、プラント、地球連合とは一線を引いているアークエンジェル、ラクスには協力的なようだ。おそらくそうした関係もあって、アスランはオーブから出向しているのだろう。
ただ、気になるのはターミナルは諜報機関ということ。アスランはターミナルの任務で何を調べているのか。第2弾PVでも何かを監視しているようなシーンが映っているが…。まさかとは思うが、これがきっかけでターミナルからまた所属が移る、なんていうことも考えられないわけではない。“アスラン放浪記”の行く末ははたしてどこに向かうのだろうか。
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ガンチャン