「いろいろな世代、家族で一緒に見ても楽しんでいただける作品」
――市郎には、河合優実さん演じる一人娘・純子がいます。
市郎は妻を病気で亡くしているので、純子と2人で暮らしています。非行に走る娘に手を焼いていて、表面的には言い合っている場面も多いですね。
でも、そういう親子ほど絆が深いかもしれない。とにかくいつも娘のことを考えていて、常に心配しているんです。言葉遣いは粗いですが、それは深い愛情があっての発言だと思います。
宮藤さんが描く親子って、言葉遣いが粗暴でけんかしていたりしていたけれど、深い絆でつながっていることが多いですよね。深く信頼し合っているからこその乱暴さなのかもしれません。僕たちも今回の作品で、そういう絆を見せていきたいですね。
――ドラマのなかで市郎は、昭和と令和の間を行き来します。86年といえば阿部さんは16歳でしたが、台本や本読みから懐かしさを感じますか?
どのシーンも懐かしさを感じますね。ただキャストもスタッフも、半分ぐらいの人は分かってないんだろうなと思っています(笑)。
多分、ムッチ先輩を演じる磯村勇斗くんもギリギリですよね。ムッチ先輩が憧れるアイドルの歌を歌うシーンがあるんですが、本読みのときはピンときてなかったんじゃないかな。でも、迷いながらやってるところを見るのが、すごく楽しいですね。
河合さんはカセットテープデッキの使い方が分からないって言っていました。どうやってカセットをイジェクトする(取り出す)かも分からないという人たちと一緒に芝居をするということ自体に、おかしみを感じます。
深夜のテレビ番組は、16歳なので楽しみにしていましたよ。今の子たちは多分、ネットとかで覚えるんだと思いますが、僕たちの時代は情報を得るのはテレビと雑誌くらいしかなかったですからね。
――最後に見どころをお願いします。
1986年からの38年間で、いろいろな出来事が起こったんだということが分かる作品です。当時まだ生まれていない人にはこういう時代があって今があるということを知っていただけるきっかけになると思いますし、僕と同世代以上の皆さんが見たら懐かしく楽しめると思います。
いろいろな世代、家族で一緒に見ても楽しんでいただける作品だと思いますのでぜひ皆さんでご覧ください。
TCエンタテインメント