脚本・武藤将吾氏「“道枝駿佑像”をひっくり返せることにワクワク」平川雄一朗監督は道枝と「相撲を取りました!」<マルス-ゼロの革命->
ゼロを演じる道枝と「相撲を取りました!」
主人公・ゼロを演じる道枝については、「最初キャスティングを聞いて、正直ゼロというキャラクターが彼のパブリックイメージとかけ離れていたので、自分の思い描くゼロにどうやってマッチしていくんだろうと感じましたが、それをどうひっくり返してくれるかと楽しみにしていたんです」と告白。
「本人がすごく悩みながら、そして監督と二人で作り上げていったゼロというキャラクターで、みんなが思っている“道枝駿佑像”をひっくり返せることにワクワクしていましたし、それを確信したので、初回のオンエアを見た時はガッツポーズしました。『みんなが知らない道枝駿佑を表現できた』と喜びを感じました」と話した。
対する平川監督は、道枝と「クランクイン前に相撲を取ったんですよ」と衝撃告白を。「道枝くんって細いし優しそうだし…なのでどのくらい強いのかなと。僕は負ける気がしなかったんですよ(笑)。ただ、この間のアフレコの撮り直しの時に自分から「もう一回いいですか」と撮り直した時にゾワっと鳥肌が立って。日々成長がすごくて、日々ゼロになっていく、逞しくなっていく道枝くんを見て、今はもう相撲を取ろうとは思わないです(笑)」と道枝の成長スピードに驚いた様子。
「そんな道枝さんを見ているとこっちも頑張ろうと思えるし、視聴者の皆さんにもそんな道枝さんの頑張りが届いて『こんなに頑張ってるんなら、自分も頑張ろうかな』と思ってもらえたらうれしいです」と思いを伝えた。
「考察も楽しんでいただけたら」
作品全体の魅力については「昔だとこういった話を書くときは、“デジタル”と“青春”というのは切り離したり、対比で描いたりしていたと思うんです。でも今はそれを切り離すことはできない。そういう状況の中で、どう人と人が向き合っていくのかーーSNSという相手の顔が見えないものに接する中で、近くにいる存在がどれだけ貴重でありがたいものなのか、という普遍的なことを描いています。傷つきたくないと感じている今の若い人たちに『こういう友だち付き合いもある』『こういう青春もいいな』と思ってもらえたら、この作品をやった意味があるのかなと。今の若者の“リアル”ではないことを、若い世代の役者さんたちがリアルに演じることで、別のリアリティーが生まれ、それをうらやましくも思ってくれたらという思いもあります」と話した武藤氏。
「そしてその一方で、クーデターサスペンスと銘打っているものが、どんな意味を持っていくのか、第1話のラストで出てきた江口さん演じる國見とマルスがどう関わっていくのか、と話の規模がどんどん大きくなっていくので、そのスケールも見どころとなっていくのではないでしょうか。そして第1話最後で出てきた 『一体誰が殺したのか』といったところの考察なども楽しんでいただけたらと思います」と語った。
続く平川監督は「武藤さんがおっしゃった考察ですね。武藤さんの頭の中にしかない謎が、至るところにに散りばめられているので、追いつくのが大変なんです(笑)。考えつかないことがこれから起きますので、謎を考察してほしいなと思います」とコメント。
「自分は武藤さんに教えてもらったので、演出として1話にもたくさん伏線を埋め込んではいますが、気付く人いるかなあ…多分気付かないでしょうね(笑)。第1話のラストの「最後まで付き合ってもらうぞ」というゼロのせりふに関しては、「どんな最後になるんだろう…」と僕も視聴者として不安を感じました(笑)。皆さんもそんな風にいろんなことを感じ、考えながら見ていただけたらなと思います」と語った。