純子「私がグレて気をそらしてあげてる感じ」
市郎の家にサカエが着くと、心配していたことは起こってなかったが、市郎が予想していた通り、キヨシはそこにいた。
市郎の妻の仏壇に手を合わせるサカエに、純子は母親のことを話し始めた。「5年前に病気で死んだ。ずっと入院してたし覚悟できてたけど、親父が笑っちゃうくらいダメになっちゃって。毎晩そこに座って泣いてた。だからね、私がグレて気をそらしてあげてる感じ」と、本当はグレたりしてなくて、非行に走ったふりをして父親を元気づけようとしていることを明かした。
あまりよく知らない他人だからこそ話せることもあるのかもしれない。
市郎「尻軽だけど、バカじゃねぇんだ」
一方、令和の世界で、ゆとり世代の会社員・秋津くん(磯村・2役)の家に泊めてもらうことになった市郎は、昭和から持ってきた家族のアルバムなどを見せながら語り始めた。
9歳年下の妻との出会いなど、思い出の品を見せながら、家族の思い出を振り返る。
秋津が「ずっと娘さんと2人暮らしですか?」と聞くと、市郎は「女房と約束したからね。『高校卒業するまでは変な虫がつかぬように俺が見張る』って」と答え、「尻軽だけど、バカじゃねぇんだ」と娘への愛情を明かした。
純子もサカエとの会話の中で、「『高校卒業するまでは一緒にいてあげて』ってママに頼まれたし。私がいないと親父一人ぼっちでメソメソするだけだから」と、母親との約束と言いながらも、普段は素直に言えない気持ちを話してしまっていた。
サカエの深刻な表情に市郎が死んだと勘違い
市郎の帰りが遅いのを気にしている純子に、サカエが深刻な顔で「聞いて」と話しかけると、「死んだ?あいつ、死んだの?」と動揺を見せる。
サカエが話す様子から市郎が死んだと思い込んだ純子は、現実逃避するかのように「死因は?遺産は?全額もらえるよね」と明るく振る舞おうとする。
「生きてるの」とサカエは即否定するが、「ただ、この世界にはいないの」と説明したため、「死んでんじゃん!」と死を確信。
ここでようやくサカエは本当のことを伝えた。「お父さんは未来にいます」と。キョトンとする純子に、タブレットで説明すると、その内容よりもタブレットに興味を持った純子。そこは市郎がスマホを最初に見た時の反応と同じで、「薄っ!」だった。やはり親子。
純子がどこまで信じたのかは分からないが、市郎が生きてるらしいということは理解したようで、サカエとキヨシがしばらくこの家に滞在することを伝えると、「同棲!『翔んだカップル』みた〜い」といつもの純子に戻った様子だった。
亡くなった妻・母親の約束もあって、父と娘それぞれが思い合い、大切に思っていることが判明するなど、ほっこりしたエピソードが印象的だった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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