“今の自分”や過去・未来を記せる「人生ノート」で自己再確認
「死ぬまでにやりたいことリスト」よりも具体的なことを書けるのが「人生ノート」の特徴。“今のわたし”というところには「趣味・特技」「好きな食べ物・飲み物」「好きな動物」といったプロフィール的なことを書く欄がある。
他には“大切な思い出”や“ここからの話”といった過去・未来について書くページも。
雅彦は少しずつ書き始めていて、それを一緒に見ていた瞳が気になったのが「忘れられない思い出」だった。しかし雅彦は「ここはいいよ」と恥ずかしがり、かたくなに見せようとしなかった。
最後の章「エンディング」には、“葬儀のこと”“遺言者”などの項目があり、余命3カ月、いや、もう2カ月となった雅彦には“死”が現実味を帯びて感じられる項目とも言える。
雅彦の「忘れられない思い出」は“瞳が産まれたとき”
葬式は湿っぽくならないようにしたい雅彦は、一馬にお笑いのネタをやってもらえばと提案すると、そこで初めて一馬がお笑い芸人を辞めて塾講師になったことを知らされる。芸人を辞めて定職に就けと言ったが、まさか本当に辞めるとは思っていなかった雅彦はちょっとバツが悪そう。
ひとりで抱え込んでしまうタイプの瞳に、助産院の杉村院長(小林)が「ひとりで抱え込まないで相談して」と優しく声をかける。その言葉で気持ちがいくぶんか楽になったようだ。
帰宅すると雅彦は風呂に入っていて、テーブルの上に「人生ノート」が置いてあった。瞳がノートを見ていると、雅彦が隠していた「忘れられない思い出」に記していた言葉が目に入ってきた。
「瞳が産まれたとき」。そう書かれているのを見て、瞳の目から涙があふれた。それと同時に、父・雅彦の愛情を改めて感じたに違いない。
とはいえ、それで全てがうまく進むわけではない。瞳は悩んで悩んで、迷って迷って「私は結婚しない」と雅彦に伝えた。まだまだたくさんの問題が目の前にある2人。残された時間の中で納得できる答えを見つけらることができるのか見守っていきたい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部