コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“美術部の先生にモチベとアイデアを生み出す方法を教えてもらう生徒”を描いた漫画『0を1に変えろ』をピックアップ。
作者である漫画家の夏目にーにさんが、2023月12月16日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、6600件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では夏目にーにさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
描きたいものが浮かばない…美術部の生徒の悩みを先生が解決
ある日、美術部の生徒は大会に出品する絵に悩んでおり、先生に「描きたいもの なんか…全然みつからなくて」と相談する。すると先生は意外にも、「描かなくていいじゃん、無いなら」とアドバイスし、大会に出品しなくても良いと告げる。
その言葉を聞いた生徒が「えぇ?そしたら私美術部…退部?」と焦りを見せると、先生は「辞めなくていいけど、描きたい物が無いなら無理して見つけなくても良くて」と補足し、進路においても絵においても「何かワンアクションしないと何も生まれない」と教える。
そこで生徒が具体的にどうするか尋ねたところ、「2日以上何でもいいから描いてみよう」「日を跨ぐのがポイント」とアドバイスをおくる先生。例えば“窓から見える景色”や“好きな芸能人の顔”など何かしらを描く際、極力日を跨いで制作をするのがオススメだという。
実は、1度描き始めた絵は取り掛かりやすいが、逆に“0から描き出す”のは最もハードルが高いため、描く時間を長く設けてスッと入りやすい絵を作っておくことが大切なのだそう。そうしているうちに、“あ!次これ描いてみよう!”が見つかる確率も上がるとのことだった。
これを聞いた生徒は納得して、「じゃあ何か描くネタ スマホで探して…」と言うのだが、ついスマホで違うことをし始めてしまう。これを見た先生は「…まず、その時間泥棒の元凶『スマホ』…どうにかしないとね」と呆れ顔で答えるのだった――。
美術部の先生が教えてくれた“モチベとアイデアを生み出す方法”について、ネット上では「とりあえず歩いてみたら何かにたどり着くんですね」「スマホは便利だけど、ない方がいい時もあるよね」「コツコツと続けること…わかりみが深い」「私もちょっと描き出したら10年以上毎日描くようになりました」「とりあえず手を動かすことが大事なのか」「最初が一番しんどいっていうのは、絵に限らず他のことでも言えそう。とてもタメになった」などのコメントが寄せられている。
作画の際には「ゆるめに描くのを意識しています」
――『0を1に変えろ』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
美術部でいつも大会前に、いいアイデアが生まれないと「うーん」と言っている部員や、進路がなかなか決まらない担任クラスの生徒を見た時に思いつきました。
――本作では、生徒に無理はさせないけど、しっかりしたアドバイスは送ってくれる先生のキャラが非常に魅力的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
漠然とした話にはせず、具体的に方法を示す場面は描こうと思いました。実際に私自身、描いている最中に次の話を思いつくので、2日以上長く続けるかが大事だと思ったからです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「スマホいじっても、何も見つからないんだよね」というセリフはきつい言い方ですが、これで“おっ”と思う読者の反応も多かったかなと思います。私の作品は少し毒を盛るのも隠し味です。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
実際にあった話や、生徒との会話の一言から展開したりして話を作っています。
――夏目にーにさんの作品は、内容がとてもわかりやすく、読みやすい印象を受けました。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
作画については色々な感想やご意見を頂きますが、私個人としてゆるめに描くのを意識しています。いい訳に聞こえるかもしれませんが、「こんな絵でも漫画で描き続けているよ」というのが伝わってくれれば幸いです。
デッサンから絵の世界に入っているので、線で立体を表すのが実はすごく苦手で、漫画絵はまだまだ勉強中です。
――今後の展望や目標をお教えください。
2024年度も毎週1本は新作漫画を描けたらいいなというのと、まだ出せない情報もあって今年はそれが成功したらいいなと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
これからも少し前向きになれる話を作っていくつもりですので、また読みに来てください!