「ガンダムSEEDシリーズ」、約20年ぶりの新作となった『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が、ガンダム映画史上最高の興行収入を記録し話題になっている。何度もリピートする人が多数発生する、ファン納得のクオリティーと言われているが、その映像の中には前作までを踏まえ、「なるほど」と頷く答え合わせも示されていた。中でも大きなものは、ラクス・クラインにまつわる“あのこと”だろう。実はテレビシリーズ『機動戦士ガンダムSEED』のときからほのめかされていたことであり、今回での絶妙な伏線回収になっていた。ネタバレ回避をしつつ、初見の人に思い出しておいてもらいたいそのシーンとは…。
キラ・ヤマトが惹かれた女性、ラクス・クライン
「ガンダムSEEDシリーズ」の舞台となるコズミック・イラの世界では、遺伝子工学が発達し、ついには生まれてくる子どもに遺伝子調整が行えるまでになっている。遺伝子レベルで身体能力の強化を行い、その他にも優れた容姿、高い知能、芸術分野などの才能をデザインすることもでき、その遺伝子調整技術で生まれた人々は“コーディネイター”と呼ばれている。
シリーズの主人公キラ・ヤマトはコーディネイターの中でも、最高の頭脳、最高の身体をデザインされて生まれてきたコーディネイターだった。戦闘中に機体のOSを書き換えるという離れ業、訓練なしでザフトの赤服と互角以上に戦うモビルスーツ操縦のセンスなど、明かされれば得心というものだった。
そんなキラが心を惹かれたのがラクスであり、彼女もまた不思議なカリスマ性を持つ女性だった。
政治、社会的影響力も及ぼすラクスの絶大なカリスマ性
キラの助力をする形で反戦を訴える象徴になっていったラクスだが、いくらカリスマ性があるとは言え、彼女の言葉はなぜあれほど人々の心に響き、周りの人間はなぜあれほどラクスの言うことに従ってしまうのか? 特にコーディネイターの社会であるザフトではその影響力は絶大だった。彼女が送るメッセージの強さはあるものの、ふと考えれば疑問を抱いても不思議ではない光景だ。正直、当時は作劇の都合上という見方で流していた部分もある。
ただ、『SEED FREEDOM』を観たあとだと事情が全く変わってくる。明かされたラクスの秘密を思えば「なるほどね」となるわけで、彼女の絶大なカリスマ性にはしっかりした裏付けが作られていたという真実が見えてくる。
とは言え、それでも『SEED FREEDOM』で作った後付け設定と考えられそうなところだが、ここで振り返ってほしいのが『ガンダムSEED』PHASE-46「たましいの場所」でのワンシーンだ。
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