コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回ピックアップするのは、MasakiさんがX(旧Twitter)で掲載している連作「着ぐるみ家族」シリーズの1つ「わが家のハムスターたち」。Masakiさんが1月15日に本作を投稿したところ、多数の「いいね」が寄せられた話題作だ。そこで作者のMasakiさんに、本作の見どころや制作秘話などを伺った。
こたつに入るハムスターなパパさんとムスメちゃんの“溜めこみ”行動
ある日、洗濯物をたたむママさんは「なんか2人の靴下が少ないな…」とパパさんとムスメちゃんを見つめる。洗濯物にもタンスにもないため、「いったいどこにいったんだろう…?」と原因を探るべく動き出す。
そんなママさんとは対照的に、のんきに家の中をポテポテとしたシルエットで歩くのは暖かそうなハムスターの着ぐるみを身にまとったパパさん。その足元には靴下があるため、「お…履いているな」とママさんは探偵さながらにパパさんのことを分析していた。
そのあとパパさんが足早に向かったのは、冬には欠かせないアイテム・こたつ。そこにはパパさんと同じくハムスターの着ぐるみをきたムスメちゃんが、すでにぬくぬくと温まっていた。「さむさむ」と言いながら腰を下ろしたパパさんだったが、2人の様子を観察していると何やら「ゴソゴソ」と怪しい動きが。そこで、とうとうママさんは靴下が少なくなった原因を見つける…。
SNSでは「匂っちゃいますよね笑」「これは怒られるわ」「ハムちゃんの気持ちはわからないでもないけど、これは許されない」とママさんへの共感が多く集まっていた。
「どこかで見たことある」「動作が誰かに似ている」本作に込められたこだわり
――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
冬になると、こたつに入れていた足が暑くなって、こたつの中で靴下を脱ぐ癖が小さい頃からあり、家族にハムスターみたいに溜め込まないでと言われたことを思い出したことがきっかけです。
ハムスターが何かを溜め込む姿と、こたつに靴下を放置する仕草を合わせたら面白くなりそうという思いから創作しました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
普段着ぐるみ家族を描く際に特にこだわっているのは、「どこかで見たことある」や「動作が誰かに似てるな」といった、みてくれた人に共感してもらえそうな部分です。
本作の場合ですと、パパさんとムスメちゃんがテレビに集中していて、本人たちは無意識に靴下を脱いでることに気づかず、ママさんに注意されて初めて気づく、という部分かなと思います。
本作を見てくださった人の中にも「よくやっちゃう」というコメントをしてくださる人がいて、あまり誉められたものではありませんが、共感してくれる人がいて嬉しかったです笑
――表情豊かな家族ですが、Masakiさんが描くときに工夫している点などあれば教えてください。
3人のキャラクターそれぞれに個性があるので、その個性に合った表情を描くように意識しています。
ムスメちゃんは子供ながらの無邪気さや正直さが現れるように表情やポーズなどを描いており、ママさんは2人のツッコミ役でもあるので、怒ったり呆れたり、時には一緒に楽しんだりと表情豊かに描いています。
パパさんの場合は、ムスメちゃんとママさんとは違い、無表情を貫くキャラクターですが、本人はノリノリに楽しんでいることが伝わるように、その分動きやポーズを大きく描くようにしています。
――ゆるっとしたストーリーが人気の同作ですが、インスピレーションを得るのはどんなタイミングが多いでしょうか。
着ぐるみ家族の場合は、家の中の出来事と、そこから連想できるものを「着ぐるみ」と組み合わせて考えています。
この「連想できるもの」を出すことが意外と難しく、常にいろんな情報を見たり、街を歩いてヒントを見つけたりとインプットをしないと進まない部分でもありますね。
ですのでネタを考える時は、家の出来事を頭の中で考えながら、街中の看板や広告、お店を見て結び付けられるものはないかと血眼になって探して歩いていますね笑
家の中でじっとしていてもインスピレーションが降ってくることはないので、自分の頭と足を動かして掴みにいくようにしています。
――家族の着ぐるみを考えたりデザインするとき、気を付けていることはありますか。
着ぐるみのデザインで気を付けているのは、1つの形ではなく、できるだけたくさんの形の着ぐるみを描くようにすることです。
着ぐるみをネットで検索すると、個性豊かな形の着ぐるみがたくさん出てきます。
パーカーやパジャマのような形をしたものもあれば、被り物、肩ベルトを使うほど大きいものまで、さまざまなものがあり、形から受ける印象もさまざまです。
動きをつけることに適した着ぐるみや、じっとしていた方がシュールさが増す着ぐるみなど、そのシーンに合わせたデザインの着ぐるみを描くように意識しています。
――今後の展望や目標をお教えください。
イラストやマンガは引き続き描いていきますが、アニメーションなど新しい表現や、他の作風にも挑戦したいと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも着ぐるみ家族を見てくださり本当にありがとうございます。皆さんの反応やコメントが作品を作り続ける励みになっています。
着ぐるみ家族のこれまでのお話は家族3人のお話がメインになっていましたが、今後は新しい展開になっていく予定ですので、楽しみに待っていただけると嬉しいです。
引き続き着ぐるみ家族をよろしくお願いします!