コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、『もちろん推してね!?』からみんなに好かれる可愛い親友に憧れて、必死に努力をしたのにも関わらず非難にあう『整形したアイドルの話』(※整形の誇張表現、ルッキズムの表現があります)をピックアップ。
作者のあめみくろさんが2月9日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、19万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・あめみくろさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
「整形ってそんなにずるい？」ブスランキングトップ…私も人気のあの子みたいに可愛くなりたい、その一心で努力した先にも立ちはだかる壁とは
中学校時代、ブスランキングに載ってしまう主人公・宮本れいな。いつも仲良くしている、かわいくて優しいみんなから好かれるゆいかちゃんみたいになりたかった。そこからお金を貯めて整形など必死に努力した結果、れいなは人気アイドルになった。グループのメンバーに、ファンサービスがすごいと褒められるが、れいなは自分のことを推してくれているんだから当たり前と思っていた。手もベトベト、体臭もきつい、小言も多いとメンバーにファンの悪口を誘われても、のることはなかった。
れいなはその人気ぶりからグループでのアイドル活動とは別に単独でグラビアの仕事も両立している。アイドルの仕事のあと、雑誌の撮影に向かった。最近は表紙ばかりで業界内でも一目置かれる存在だが、その裏では変な噂がたっていた。彼女をライバル視するグラビアアイドル曰く「パパ活や援助交際でおじさん達からお金を巻き上げている。顔も作り物ってネットで検証されている」というものだった。
撮影からマネージャーの車に戻ると、「自分が売れていないからと噂に便乗するなど三流だ。そんなこと言ってる暇があるならSNSのひとつでも更新して短いグラビアアイドル人生を延ばす努力をするべきだ」と愚痴を吐いた。マネージャーはそんな頑張りすぎるれいなを心配していた。
家に着くと、母親から中学のときの同窓会の案内が来ていることに気付く。どうせ昔と変わった顔について言われると思うと億劫な気持ちになった。ただ優しくて憧れで親友だったゆいかちゃんには会いたかった。そう思っているとゆいかちゃんと街でばったり出くわすことができた。2人でカフェに入り、話が弾む。「顔のこと聞いてもいい？」と言われ、ゆいかちゃんには話しても良いか…と経緯と今の仕事について明かした。「ゆいかちゃんみたいになりたくて、かわいいと言われたくてアイドルとグラビアにたどり着いた」と話した。2人の話が盛り上がる最中、カフェになにやら不穏な影が落とし込んでいた。
その日、れいなはお風呂に入っていると、メンバーから「YouTubeの〇×という人の配信を見て」と電話がかかってきた。お風呂から出て配信を確認すると、れいなは整形を公表していないのにも関わらず、中学校のときの写真とともに整形した事実を暴露されていた。暴露した人は「所詮私の引き立て役だったのにファンを騙してアイドルやっててウケる」と話していた。今日会った親友が暴露しているのではないか、と推測するに容易かった。
配信者から電話がかかってくる。「ファンを騙している」「仕事的にもずるい」と散々罵られた。れいなは「そんなにだめなことですか」と泣きながら訴えた。「死ぬほど痛い重いをしてやっと普通の人間って認められる顔を手に入れたのに、その後の人生でも前の顔を引きずっていかないといけないのか」「ずるいと言われるが、生まれた時から顔のことで縛られないで、鏡見る度に死にたくなる人生とは無縁のあなた達の方がよっぽどずるい」と吐露した。親友だと思っていたゆいかちゃんが言ってくれた「外見も中身もかわいい」その言葉は嘘だったのか。
心配したマネージャーはれいなの家に駆けつける。れいながドアを開けるとマネージャーはカメラを持っていた。「いっそ全部曝け出した方がラクじゃないか」とマネージャーに言われ、その場で整形のことや自分は偽物だ、など気が強くて口の悪い自分を出した。そんな彼女にマネージャーがある言葉をかけると、れいなは張りつめていた糸が切れて泣き崩れた。
れいなが落ち着くと、マネージャーはYouTubeを始めることを提案した。今は整形に興味を持っている子も多く、れいな自身にも興味を持ってもらえるかもしれない。れいなは絶賛炎上中のアイドル兼グラドルの宮本れいなとして配信を始めた。
そんな彼女に待ち受けた視聴者の反応は…。彼女のアイドルグループのメンバーたちは、暴露をした彼女を受け入れてくれたのか。
れいなが努力し続け、炎上という苦しく辛い状況にも立ち向かっていく姿に「めっちゃ努力しているんだな」「れいなちゃんの努力に泣いた」「推したい」と反響。「読む手が止まらない」「良い深い話」「神マンガ」と絶賛の声が続々と届いている。自分のコンプレックスと重なり、励まされた読者も多い様子だ。
整形、ルッキズム…現代の世界観を描き読者の興味や共感を集める、作者・あめみくろさんに創作についてインタビュー
――『もちろん推してね!?』を描こうと思ったきっかけや理由などをお教えください。
色んな女の子の抱えるそれぞれの闇を描きたいなと思ったのがきっかけです。良い意味でも悪い意味でもギャップのある子を描くのが好きなので、あんな感じのお話になりました。
――あめみくろさんの作品は、最近話題になっていることや、実はあるあるといったことを、若者に受け入れやすいタッチとストーリーでお伝えされていらっしゃるイメージがございます。何か作品を創る上で意識していることはございますでしょうか。
なるべく共感してもらえるように、文字情報はなるべく少なくし感情を表情で描くことを意識しています。また、私自身1からの創作より、現代の世界観のお話が得意なのでそれもあって共感してもらえる部分が多いのかなと思います。
――ご自身の作品の中で、特に好きなキャラクターやお話がございましたらお教えください。
凪ちゃんのお話は見たり体験したりした要素が一番多く詰まっているので思い入れがあります。描いていて一番楽しかったのはリーダーの音夢ちゃんのお話です。思う存分好きに描いたのであのお話をOKしてくださった編集担当さんにも感謝です。
――ご自身が生み出すキャラクターへのデザインや人物像へのこだわりがございましたら、お教えください。
顔はなるべく違った特徴を持たせるようにしていました。効果が出ているかどうかは分かりませんが…。もっと上達出来るように頑張ります。(笑)
――今後の展望・目標をお教えください。
もっと違ったジャンルのお話も描いてみたいなと思っています。より楽しんで貰えるような漫画を描き続けていきたいです。
――最後に、読者やファンの方へのメッセージをお願いいたします。
購入報告や感想など本当に嬉しいです。すごく原動力になっています。これからも描いていくつもりなのでその時は是非また読んでいただけたら幸いです！
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
