香恋を救いたいと願うマルスのメンバーたち
父親・國見を信じて疑わなかった香恋。父親のためを思い、ネットを利用してマルスの信用を落とすことに成功したが、球児が亡くなるのを目の当たりにしたことで香恋の気持ちも混沌としていったに違いない。
渾一は“マルス”のメンバーでの集まりに香恋も誘った。ゼロは香恋を仲間から外すのではなく、「人間にしたい」と渾一に伝えていた。渾一はそのことを香恋に話し、「きっと自分の気持ちに素直になってもらいたかったんだと思う。本当の自分を曝け出して欲しかったんじゃないかな」とゼロの気持ちを汲み取って語った。
そして渾一は「マルスにいた君は全部本当の君だと思ってる。みんなと喜びあったり笑い合ったあの感情は嘘じゃないって信じてる」と自身の気持ちも香恋に伝えた。
不破が球児の思いをマルスのメンバーに伝えた
マルスに救われたトップスプリンターの不破(日向亘)が再登場。球児の言葉をどうしてもマルスのメンバーに伝えたかったという。
渾一については「あんなにイジメられてたのに心根が優しくて、いつもみんなを労ってくれる」と、久高については「いつもうるさくて喜怒哀楽が激しいけど、誰よりも暑くて、人を信じてる」、杏花のことは「天真爛漫で、まさに癒しって存在。あんなに嫌なことがあったのにいつも前向き」、賢成は「嫌味も多いけど、本当は仲間思い」、そしてゼロは「やっぱり、ヒーローかな」と不破に話し、「僕はマルスに救われた。いつまでも続いてほしいし、守っていきたい。きっとネットの向こうにいる人もマルスを必要としてるはずだから」と球児は笑顔を見せた。
亡くなった球児の思いを知った渾一は、球児のためにも、そして自分たちのためにも「マルスを復活させたい」と誓った。
香恋、父・國見と決別「パパのことを信じたかったのに」
マルス復活のためにも重要になってくるのが香恋の存在。
ゼロは香恋を呼び出し、「嘘が嫌いなんだろ。お前が信じてる真実だって本物か分からない。自分でも薄々勘づいてるはずだ、國見の本性に」とズバリ伝えた。
「何言ってんの」と反論しながらもゼロと目を合わせようとしないのは、ゼロの指摘どおり、心の中に迷いがあるからだろう。「自分の目に映るものだけが世界の全てだと思うなよ」というゼロの言葉が香恋に重くのしかかった。
香恋は父・國見に「パパは本当に個人情報を流してない?」と直接聞いた。もちろん國見は否定するが、香恋はゼロたちが脅されている映像を國見のパソコンから入手していて、それを見せて改めて問いただした。
「パパのことを信じたかったのに」
香恋が入手した映像は動画で配信され、形勢逆転。大人たちに一矢報いることができた。
大きな決断をした香恋にも球児は「毒舌で豪快に見えるけど、本当はすごく繊細で。それを隠すために明るく振る舞ってるんじゃないかな。彼女はマルスの太陽で、彼女がいないとマルスじゃないんだよ」という言葉を遺していた。
香恋がマルスに帰ってきたことで、“復讐”が始まった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部