コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ケモノのイラストや漫画を描いている野森ノケさんの『そうぞうのじかん』を紹介する。
同作は小学生のケモノによる友情を描いたショート漫画で、X(旧Twitter)に投稿されると、4.9万もの「いいね」を獲得。そんな作品を手がけた作者の野森さんに、『そうぞうのじかん』を描いたきっかけや、こだわりのポイントについて話を伺った。
母親に否定された自身の作品…彼を救ったのは同級生のひと言
――舞台は、あらゆるケモノたちが人間のように二足歩行で言葉を喋る世界。
小学校の図画工作の時間。谷は新聞紙やダンボール、割りばしなどで「アイスドラゴン」という作品を作り、母親に見せるため、駆け足で自宅に向かう。
しかし、母は彼の作品を見るなり、「何 そのゴミみたいなやつ」「そんな大きいの作って、どこにも置けないでしょ!?」と冷たい言葉を放つ。
ある日、再び図画工作の時間で「ドラゴン」を作った谷。母の言葉を思い出して「ゴミしか作れなくなっちゃった」と心の中で呟いた。
そんな時、同級生の灰野は彼のドラゴンを見て「かっけー!!」「特にヒゲとツノ、超いいじゃん!」と絶賛し、さらに「谷がつくるドラゴン大好きだもん」「おれのスカイタイガーと遊ぼうぜ~」と続ける。2人は自身がつくったドラゴンとスカイタイガーで遊ぶなか、勢い余ってドラゴンがこわれてしまい…。
クラスメイト同士の“創作物を通しての友情”に対し、「心が浄化されるような気分」「何か忘れかけていた大切なものを思い出した」など好評の声が相次いだ。
子どもと大人の見え方の違いを描いた作者・野森さんのこだわり
――『そうぞうのじかん』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
子どもの頃はもっと何かを自由に“そうぞう”する力が豊かだったような気がしたり、他者からの言葉によって自分の作品の見え方が180度変わってしまうことがあるなと思うことがあったりして、そのことを元にこの漫画を描きました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
子どもの見えている世界と、一部の大人から見えている世界のギャップ感がシャープになるようにしました。子どもの作品を「ゴミみたい」と言ってしまう家庭の余裕のなさを、主人公の家の狭さや服装で表しています。また、主人公の少年がつくった実際の作品も、よく見ると細かな工夫が凝らされていて決して悪くないものだと思ってもらえるようにこだわって描き込みました。
――野森さんが手がけた作品にはケモノキャラが多いですが、ケモノを中心に描いているきっかけは何かあったのでしょうか?
動物を描くことが好きだからというのはもちろんですが、自分の漫画は人間の姿で描くと生々しくなりすぎてしまう話が多いと思ったので、人間ではない姿で描いています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも見てくださりありがとうございます。今後も何か思いついたときに絵や漫画を描いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。