時代の潮流に取り残された人物たちが己の真実を振りかざす…TVアニメ「明治撃剣−1874−」第1話~第8話を振り返る
中村悠一、黒沢ともよら声優陣が出演するTVアニメ「明治撃剣−1874−」(毎週日曜夜11:00-、BS松竹東急<全国無料放送・BS260ch>)。明治時代、急速に西洋化が進んだことで時代の潮流に取り残された者たちが、己の信念と向き合いながら激しい戦いを繰り広げる物語だ。そんな本作は、3月24日(日)にいよいよ最終回SPを迎える。9話&10話の放送を前に、本記事では、「明治撃剣−1874−」のこれまであらすじや、見どころを振り返っていく。(以下、ネタバレを含みます)
主人公・折笠静馬がポリスとして活躍していく1話~4話
時は明治7年1月、舞台は東京府。かつて“会津の鬼殺し”と呼ばれていた元会津藩士・折笠静馬(CV:中村悠一)は、武士を辞め車夫として働きながら、戊辰戦争で行方不明となった許嫁・鹿又澄江を探す日々を送っていた。
そんなある日、静馬は右大臣の岩倉具視が何者かに襲撃され、内務卿の大久保利通の命令でポリス(警察)が必死に探し回っている場面に遭遇する。そして、以前車に乗せた客・武市が怪しいと踏んだ静馬は、激闘の末、犯人の武市を見事捕らえたところ、大警視の川路(CV:飛田展男)に「ポリスにならんか?」とスカウトされるのだった――。
一方、無宿浪人の修羅神狂死郎(CV:三上哲)は、特殊な力を持つ仲間らとともに行動していた。狂死郎はヤクザ・守屋組に取り入ろうとしており、一度は組員らに断られるものの、その後敵対する堂山組を皆殺しにし、組長の隆三(CV:宝亀克寿)に組の看板を渡してその島を明け渡す。その結果、隆三は狂死郎をひどく気に入り、客人として迎え入れることに。
のちに狂死郎の正体は、“旧庄内藩の池上宗一郎”であると明かされ、作中では彼がなぜ正体を隠し生きているのかも本人の口から語られることになる。
また本作の重要人物となる、反政府軍に加担する芸者・雛鶴(CV:黒沢ともよ)の存在も欠かせない。彼女は“御前”と呼ばれる人物・平松武兵衛(CV:山路和弘)に仕え、新政府関係の邪魔者を暗殺する役割を担っていた…。
まだまだ謎が残る1話~4話は、ポリスとして活躍していく静馬の生き様や、どこか影があり暗い過去を背負う狂死郎の姿が対照的に描かれており、それぞれのキャラクターが際立つストーリーに仕上がっている。
登場人物それぞれの思惑が明らかになっていく5話~8話
物語の佳境に向かう5話以降にかけては、おもに狂死郎の思惑と平松との関係、そして静馬の静江探しの軸に分けて展開される。
まず狂死郎に関しては、彼の正体が明かされてから、ポリスの内偵である藤田五郎(興津和幸)や平松たちにマークされ始める。しかし当の狂死郎は、平松と繋がりのある商人・藤島のアヘン輸送を邪魔することで、守屋組と仲間割れをさせ、平松を表に引きずり出そうと画策をしていた。途中計画は上手くいったように思えたが、平松の罠にかかりピンチに陥る。
それを助けたのは、ポリスの内偵・藤田だった。狂死郎は藤田に、“過去に平松に騙され、父親や仲間を殺された。だから平松を復讐するために、後ろ盾になっていた守屋組に潜入した”という過去を明かし、仲間に引き入れた。
平松に陥れられたことはもちろん、それを全く悪びれることなくさらに命を狙おうとする平松に、激しい復讐心を燃やす狂死郎。常に冷静沈着な狂死郎だが、平松と相まみえた際にどのような立ち振る舞いを見せるのかは、最終回の大きな見どころの一つになりそうだ。
また澄江の行方を捜していた静馬は、芸者の小梅が澄江が持っていた“うさぎの折り鶴”と同じものを持っていたことから、彼女をキーパーソンと見て探りを入れる。すると澄江の正体は反政府側の芸者で、邪魔者となる新政府関係者を暗殺する殺し屋・雛鶴だということが判明。
雛鶴のもとへ急ぐ静馬だったが、病気を患っていて老い先短い彼女は、小梅に「最後の仕事を完遂する」と伝え、すでに大久保利通暗殺へ向かっていた。結局暗殺は未然に防げたものの、2人は一瞬目が合うだけに終わる…。
雛鶴こと澄江に近づく静馬だが、せっかくお互いの居場所が分かったところですれ違いに…何とももどかしさを感じる一コマだった。
一方その頃、“平松の黄金”を意味すると思われる“エルドラド”の存在を1人で追うジャーナリスト・せんり(CV:Lynn)の様子も描かれた。