竹内涼真が主演を務める極限のゾンビサバイバル「君と世界が終わる日に」(※通称「きみセカ」)では、ゴーレムウイルスという噛まれたら噛まれたら化け物になってしまう“謎の感染症”によって、突然日常を奪われた人々の過酷なサバイバルと濃厚な人間ドラマが描かれてきた。そんな本作のシリーズ最終章となるシーズン5では、竹内“響”の仲間として行動を共にしてきた玉城ティナ“明日葉”と飯豊まりえ“佳奈恵”がW主演に抜擢。2024年1月公開の「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」で描かれなかった人類最後の希望の都市“ユートピア”のもう一つの塔を舞台に、明日葉や佳奈恵たちが最終決戦に挑んでいく――。本記事では、“ユートピア”での壮絶な戦いを描いたシーズン5(全5話)のあらすじや見どころを紹介しながら、物語を振り返る。(以下、一部ネタバレを含みます)
政治家らが住む“タワー”と劣悪な環境の“アンダー”に引き裂かれた明日葉と佳奈恵たち…
シーズン4のラストで佳奈恵たちがたどり着いた、“物資が豊富にあり人々が平和に暮らす”という理想郷・ユートピア。もともとは明日葉の父親である新山会長が創設した理想郷だが、会長亡き今は漆原(尾美としのり)という男が会長を務め、その息子で明日葉の元婚約者でもある冬馬(柿澤勇人)の姿もあった。
ようやく平和な暮らしが手に入るかと思った矢先、明日葉はユートピア内の“タワー”へ、そして佳奈恵(飯豊まりえ)や加州(溝端淳平)たちは“アンダー”という場所に連れて行かれ、離れ離れになってしまう。
“タワー”では政治家や教員、医師などの資格や能力のある者が集められ、かつての文明に近い水準の生活が送られていた。一方、“アンダー”ではそれ以外の者たちが集められ、“タワー”の人間に命じられた品物を外の世界に取りに行く“調達”などの仕事をおこない、少ない食糧で何とか生活していたのだった…。
明日葉は、同じユートピア内で格差社会が生まれている問題を知ったことで、冬馬に「ユートピアの存在意義は自由と平等なはず」と訴えかける。しかし冬馬に「あんな連中のことは忘れろ!」と一蹴され、明日葉は部屋に監禁されてしまう。
その頃、明日葉に会うためにこっそり“アンダー”を抜け出した加州は“タワー”で乱闘を起こし、冬馬に捕まっていた。さらに、反乱軍・レジスタンスが突如“タワー”に乗り込み騒ぎを起こしたことで、“タワー”はパニック状態に陥る。その結果、加州は“アンダー”で処刑されることに…。
佳奈恵は加州を助けようと、危険を冒してまで奮闘するが、結局加州は奈落の底へ突き落されてしまうのだった。しかし、そこには反乱軍・レジスタンスのアジトが存在しており、一命を取りとめた加州は、そこでレジスタンスのリーダーである坪井(小久保寿人)と出会う――。
“ユートピア”の存在意義を訴え、代表になることを決意する明日葉
加州は坪井から、自身が行方不明になってからの出来事や、ユートピアの代表が新山会長から漆原へ移った際のとある事実を聞かされる。その内容に衝撃を受けた加州と佳奈恵は、「力を貸してほしい」という坪井の言葉を受け、レジスタンスに加わることに。
“タワー”と“アンダー”間で争いが激化する中、漆原は“アンダーの閉鎖”を提案する。明日葉は“アンダー”に居る人たちのことを想って反対するが、漆原から「アンダーを閉鎖すれば、かつての仲間をタワーに呼んでも良い」と提案され揺らぎ始める。
一方、冬馬は“アンダー”に潜入し、レジスタンスを捕獲していく“レジスタンス狩り”をしていた。その際に、小さな子供たちも“アンダー”でひもじい生活をしており、配給が足りていない状況を目の当たりにする。しかし、結局冬馬はレジスタンスらに返り討ちにあい、“人質”として捉えられてしまう。
すると“アンダー”に明日葉がやって来て、人質になっていた冬馬を解放させる。そして明日葉は「私がタワーの代表になります」と宣言し、“タワー”と“アンダー”を一つにして、かつてのユートピアを取り戻そうと決意する。その後、漆原へ交渉を持ち掛け、休戦を申し入れる明日葉だったが――。
混乱したユートピアにかつての“理想郷”を取り戻すために奮闘する明日葉、“アンダー”での混乱に巻き込まれながらも仲間のために命を懸ける佳奈恵。お互いに対立するコミュニティに属しながらも、他人を思いやる気持ちを持って奮闘していく姿は、本作の見どころの一つと言えるだろう。
また本シーズンの終盤では、「きみセカ」でお馴染みの“ある人物”も再登場し、ユートピアを乗っ取ろうとする。最後まで目が離せないハラハラな展開となっていた。
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